5687→6N6P変更してみた真空管アンプ2011/10/22 13:27

次のアンプを何にしようか迷っています。。。

順当な処では、長島氏やぺるけ氏が使用した6N6Pあたりが良いかな?
と思っています。音も5687っぽい感じするし。。。

去年の今頃、6922-5687シングル真空管アンプを製作しました。

6922-5687シングル真空管アンプ

大きさは、だいたいDVDトールケース2枚分のコンパクトアンプです。

6922-5687シングルアンプ 大きさ比較

けど、シャーシサイズが小さいので、内部のハンダ付けが大変。。。(汗

6922-5687シングルアンプ 内部配線

6922-5687シングルアンプ 回路図


それで、前フリが長くなりましたけど。。。

実はこの6922-5687シングルアンプを製作した時に、5687→6N6Pソケット変換アダプターを作って、ロシア球6N6Pの音質確認を実施したのでした。

5687→6N6P ソケット変換アダプター


6N6Pソケット変換アダプターで、音を聴いてみた


5687と6N6Pは特性が違うのですけど、レート電圧180V、バイアス-7Vあたりの動作が近似しているので、そのあたりに動作点を取ると差し替えできちゃう様です。

もちろん、ピンアサインが異なるので、ソケット変換アダプターを製作する必要がありますけど。。。(汗


実際に聴いたのは約1年前ですけど、音質的には5687とそれほど遜色のない音がしたと記憶しています。



それで先日、6N6Pシングルアンプの回路図を制作しました。


6N6Pシングルアンプ 回路図

6N6P ロードライン検討

ロシア球 6N6P規格
http://www.mif.pg.gda.pl/homepages/frank/sheets/113/6/6N6P.pdf


動作点は、5687アンプを参考にして、

プレート電圧186V、プレート電流17.5mA、バイアス-7.5V、
負荷7KΩ、
カソード抵抗430Ω

としてみました。
(上掲載の特性図メモ書きの、ピンク蛍光ペンで×を付けた方です。。。)

いっぽう、初段も6N6Pを使用して動作点は、

プレート電圧57V、プレート電流2.5mA、バイアス-2.5V、
負荷27KΩ、
カソード抵抗1KΩ、デカップリング抵抗27KΩ

としました。

5687もそうでしたけど6N6Pの現物球は結構バラツキがある(?)みたいなので、特性図のとおりプレート電流が流れるとは限らないと思います。
5687の場合はプレート電圧が規格よりも10Vくらいズレているような印象を受けたので、たぶん6N6Pもそれくらいはズレるのではないかと個人的に推察しているので、カソード抵抗は、390Ω~430Ωあたりのどれが良いか何とも言えません。
初段もバラツキがあるようなら、デカップリング抵抗の値を変更して、プレート電流を調整する必要があるかと。。。

とりあえず製作してみて、実際にプレート電流を実測して決めるしかないと思います。。。。(汗


そんな感じで、6N6Pシングルアンプを製作するかな?と思い、回路図を書いてあれやこれや検討していた訳ですけど。。。


だが、しかし!

きわめて個人的な(!)事情ですけど。。。

1626のSTシェイプなスタイルの方が、フィギュアと一緒に撮影した時に見栄えが良いんですよね。。。(汗


今まで、私のプログに来訪された方はご存知だと思いますが。。。


コトブキヤ 御坂美琴 -とあるメイド姿の超電磁砲-
6DJ8-1626真空管アンプ (ヘッドフォン/スピーカー出力両用)
コトブキヤ 御坂美琴 -とあるメイド姿の超電磁砲 (レールガン)-

グッドスマイルカンパニー 初音ミク Lat式Ver.
6DJ8-1626真空管アンプ (ヘッドフォン/スピーカー出力両用)
グッドスマイルカンパニー 初音ミク Lat式Ver.

グッスマ GUNSLINGER GIRL トリエラ 12SL7-1626
12SL7-1626シングル真空管アンプ (ヘッドフォン/スピーカー両用)
グッドスマイルカンパニー GUNSLINGER GIRL トリエラ

アルター けいおん!秋山澪 学園祭Ver.
12AX7-1626シングル真空管アンプ (ヘッドフォン/スピーカー両用)
アルター けいおん! 秋山澪 学園祭Ver.

6DJ8-1626真空管アンプ 中野梓
6DJ8-1626真空管アンプ (ヘッドフォン/スピーカー出力両用)
ムービック(コトブキヤ)製 けいおん! 中野梓


これまで自分で製作した真空管アンプを、いろいろ撮影してきましたけど、やっぱりST管はカッコイイですね。(^O^)

写真として見た時、フィギュアとのバランスが良いような気がします。

うするに、音楽を聴くための道具として真空管アンプを考えるなら、(まあ普通そうですけどっ!)、音質的に有望な6N6Pは魅力的なのですが、フィギュアを載せて写真を撮る!という、極めてマニアックな状況(!)ですと、外観デザインの良い1626がやはり捨てがたい!となってしまうのです。。。(大汗


6N6Pと1626。どちらんするか悩む。。。



これまで1626アンプは何台も製作してきた訳ですけど、それでもやっぱり好きな球ですので、お金と時間を掛けて真空管アンプを作るなら、やっぱ1626だよなっ!みたいな???


うーん。

どうしようかなー。

と、ここ数日、ゴロゴロ悩んでおります。。。。(汗




『 もう、いっそ両方作れっ!ていうか作るだろフツー 』

と、耳元で妖精さんがささやく今日この頃。。。


( なんじゃそりゃ。。。(^_^; )




6922-5687~1万円真空管アンプ(4)2011/03/28 20:45

過去3回に渡ってご紹介した6922-5687~1万円アンプですけど、
それでは、最後の記事を書きます。


軽くエージングした後、再度アンプの各部の電圧を測定したのですが、
BT-2V電源トランスの出力電圧が低いです。
AC180Vタップの出力電圧は、実測値171Vしか出ません。。。(汗

ブリッジ整流後の出力電圧は、本来、180V×1.25倍=225Vくらいですけど、実測217.7Vしか出ていません。
設計値よりも大分B電圧が低くなってしまっているので、電源の抵抗を調整して平滑部の電圧降下を少なくしてやる必要があります。

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結局、平滑回路の270Ω抵抗を一個取りました。
掲載写真の電源部、赤いシリコンチューブが被ってる線の所は、もともと270Ωが入っていました。
270Ω×0.0392A =10.6Vですので、
おおよそ、B電圧が、10Vアップした事になるでしょうか?

とりあえず、手直ししたので、各部の電圧を測定し直しました。
以前にアップした回路図は、この修正を行った後の回路図です。

再度、回路図を掲載します。

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掲載回路図の青字が設計値で、赤字が実測値です。
電源のところの、2個の180μFの間のプラス側に取り外した270Ωが入っていました。

5687のプレート電流は、特性図から読みとった設計値17.5mAに対して、実測16.5mAなので、私が購入した球は、全体的にプレート電流が流れない方向にバラついているようです。
と言いますか、購入した球の実際の特性と代表特性のグラフが、
プレート電圧10V分くらい横にシフトしているような印象を受けました。


でも、今回作ったアンプは電源トランスの許容電流いっぱいいっぱいなので、プレート電流が流れない方がありがたいです。

回路全体の電流量は、39.2mAですので、
39.2mA×1.5倍=58.8mA
ブリッジ整流の許容電流に対して、もうギリギリですね。。(汗    


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プレート電流はいっぱいですが、ヒーター容量はタップリあります。

初段は、1Aまで。
出力段は、2AまでOKですので、いろんな球が挿せると思います。


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以上で、6922-5687~1万円アンプのご紹介は終わりです。

本来なら、E81Lヘッドフォンアンプについて書けたら良いのですけど、
興味を引きそうな話題は、すべてサイトに書いてしまったので。。。(汗

真空管アンプ/真空管ヘッドフォンアンプを製作される方々のご参考になりましたら幸いです。


6922-5687~1万円真空管アンプ(3)2011/03/28 12:13

回路図ができたら、実際のレイアウトをCADで検討します。
トランス類、ソケット周り、ラグ板の配置が決定したら、
プリントアウトして実体配線の検討を行います。

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うーん。うーん。と試行錯誤しながら、なるべく合理的な配線を考えます。

ちなみに、上掲載の写真は、6DJ8ミニアンプの時の写真です。
1万円アンプは、トランス/シャーシが変更になってますけど、
実体配線(部品のレイアウト)は、それほど変わっていません。

実体配線が決定したら、YM-200シャーシを加工して組立します。

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落とし込みサブシャーシ用の、MT9ソケット・アルミプレートの穴開けが、とても大変でした。。。(汗

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1mm厚の円形アルミプレートに穴開けるんですけど、加工する工数を考えたら、市販品を買った方が安いかもしれません。

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1mm厚の円形アルミプレートは、東急ハンズのマテリアル・コーナーで購入しました。

シャーシ外装の組立が終了したら、次はハンダ付けです。

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左側6922用ソケットに取り付けたラグ板に、主アースラインが通してあります。
このレイアウトはどこかで見たような。。。

実は、この6922-5687~1万円アンプを製作したのは去年の11月でした。その直後の12月初から、もうE81Lヘッドフォンアンプの試作に入っていたので、アンプの各部の配置がそっくりだったりします。。(汗

ていうか、この1万円アンプでさえコストが高い!!という訳で、
さらなるコストダウンを実施したのがE81Lヘッドフォンアンプである。
と言えるかもしれません。

E81Lヘッドフォンアンプは、実際に作ってみたらイイ音で、結果的に、
付加価値
を付ける為に加工済/焼付塗装/鉄シャーシを採用した
ので大幅なコストアップになってしまいました。

世界的な原材料の値上げで部品代が高騰しているので、国産トランスと、加工済/焼付塗装/鉄シャーシを採用してしまったら、一万円台でキットはできません。。。(汗

けど、E81Lは高信頼管で造りがとても良いですから、安売りするのは実にもったいない球ですので、春日無線のアドバイスで、鉄シャーシにしたのは正解だったと、私は思います。
焼付塗装/鉄シャーシは、やっぱり格好良いです。(^O^)

カミングアウトは、このくらにして引き続きハンダ付けします。

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ハンダ付けが終了しました。

コスト以前に、内部のハンダ付けが初心者にはツライ
かもしれません。
実際に、この内部配線見た方から、
『 ハンダ付け、キツそ~ 』 と、言われました。。。(大汗

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ハンダ付け後は、各部の電圧値を計測して異常がないのを確認して、
エージングしながら音出しをします。

本格的な計測は、軽くエージングした後に実施します。

次回は、最終調整について書きたいと思います。

(次回につづく)



6922-5687~1万円真空管アンプ(2)2011/03/28 00:12

5687/6922(6DJ8)の特性は、直線性が良くて、バイアス線が揃っているので、ロードラインが引きやすいです。

ネット上から、上記の真空管特性図をダウンロードして、
http://www.mif.pg.gda.pl/homepages/frank/sheets/127/5/5687WA.pdf
http://www.mif.pg.gda.pl/homepages/frank/sheets/030/e/E88CC.pdf

木村哲著 情熱の真空管アンプ 等の書籍を利用して、独学でロードラインを引いて真空管アンプを設計するための勉強に良いかと思います。
http://www.amazon.co.jp/dp/4534037406
ロードラインの引き方は、上記の本のP.57に書いてあります。
私も上記の本を購入して、いろいろ勉強させて頂きました。。。(汗

それでは、実際の設計ですけど。。。

初段6922(E88CC)の特性図は、ECC88を使用しています。
6922/E88CC/6DJ8/ECC88のどれでも良いと思います。

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初段6922の動作条件は、

プレート電圧 83V (対アース電圧85.5V)
プレート電流 2.5mA
バイアス -2.5V
カソード抵抗 1KΩ
負荷抵抗 27KΩ
デカップリング抵抗 15KΩ
B電圧 191.3V 

という所でしょうか。

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出力段5687の動作条件は、
プレート電圧 178V (対アース電圧185.5V)
プレート電流 17.5mA
バイアス -7.5V
カソード抵抗 430Ω
負荷抵抗 7KΩ
B電圧 191.3V

上記の動作点で、回路図を作成しました。

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上掲載の回路図は、青字が設計値で、赤字が実測値です。

初段の負荷抵抗は、春日KA-10SHヘッドフォンアンプを購入した時に付属で付いてきたけど使用しなかった東京光音RD 30KΩ1W が、手持ちであったので、それを使う事にしたので、初段の設計を変更しました。

負荷抵抗 27KΩ → 30KΩ
デカップリング抵抗 15KΩ → 12KΩ


他の部位に使用するパーツは、
 
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カップリング → イエンツェンCrossCap 0.1μF
パスコン → エルナーピュアキャップ 50V 220μF /470μF
出力段カソード抵抗 → KOA SPR1C 430Ω
初段カソード抵抗 → デールRN60 1KΩ
グリッド抵抗 → タクマンREX1/4W 330KΩ
発振止/NFB抵抗 → CMF-55 3KΩ /750KΩ

みたいな感じです。

次回は、シャーシ加工/組立/ハンダ付け等を書きたいと思います。

(次回につづく) 


6922-5687~1万円真空管アンプ(1)2011/03/27 17:15

春日無線→E81Lヘッドフォンアンプ製作サイト→このプログ
と、リンクで辿ってこられた方も沢山いらっしゃると思います。

真空管だと思ったらフィギュアだし。。。みたいな感じだと大変申し訳ないので、ちゃんとした(!)真空管アンプの記事も書きたいと思います。

以前ご紹介した、6DJ8ミニヘッドフォンアンプですけど。。。
http://valvolerosso.asablo.jp/blog/2011/03/24/5755445

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このアンプは、コストが高い上に、組立&ハンダ付け等の製作がとても大変でした。。。(汗

けど、TIC-1/TIC-4に使われている真空管69225687を使用すれば、KA-10SHアンプとYAHA(TIC-1/TIC-4)キットのユーザーがいろいろ遊べて、そんなアンプがあれば面白いかも?と考えたコンセプトは悪くないと思います。

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それで、上記の真空管を使用した製作費の安いアンプを計画しました。

真空管アンプ製作費のうち、トランス類の占める割合が多いので、電源トランスを安価な物にすれば、全体の製作費は安くなります。
そこで、安価なラジオ少年の電源トランスを採用してみました。
http://www.radioboy.org/trance/index.htm

あと、シャーシサイズを大きくすればスペースに余裕ができてハンダ付けも容易になるので、US-130からYM-200に変更します。
そうすれば、同時にコストも下がります。

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ラジオ少年BT-2V電源トランスは、1,700円でしたので、タカチYM-200シャーシを使用してアンプ全体の材料費を計算したところ、
真空管なしでだいたい1万円くらいでした。

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真空管を含めた値段ですと、1万3千円くらいでしょうか?

まあ、真空管アンプを製作する方は、たいがい上記の球を持っているので、
球なし価格の1万円アンプという事で。。。(汗

次回は、具体的な設計について書きます。

(次回につづく)

6DJ8ミニ ヘッドフォンアンプ2011/03/24 08:39

去年、趣味で製作したヘッドフォンアンプをご紹介致します。

春日無線KA-10SHヘッドフォンアンプを、そのまま小さくしたような6DJ8ミニアンプを自作しました。

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春日無線KA-10SHヘッドフォンアンプは音は良いんですけど、ちょっとデカイなー。と思っていて、もう少し小さくてカワイイ感じのアンプが欲しいなと。

私はスピーカーでも聴くので、スピーカー出力ができるとさらに良いなぁーと考えました。

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TIC-1/TIC-4に使われている真空管6922と5687を使用すれば、KA-10SHアンプとYAHA(TIC-1/TIC-4)キットのユーザーがいろいろ遊べて、そんなアンプがあれば面白いかも?と考えました。
 
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出力段5687は、チンチンに熱くなる球なので、『落とし込みサブシャーシ』を採用して排熱に考慮しています。
青色発光ダイオードで照明するのは、19AQ5ヘッドフォンアンプ以来の伝統(?)です。

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背面にスピーカー端子を装備して、スピーカー出力に対応しています。
出力は、0.6W弱。

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タカチのUS-130シャーシを使用して製作したので、春日無線KA-10SHヘッドフォンアンプと比較すると一回り小さいです。
音的には、YAHA(TIC-4)キット5687そのままの太い音がします。

5687球は、サイズからは想像できない骨太な音がするので、いろいろ遊ぶには面白い球だと思います。

チンチンに熱くなるのは、ご愛敬といったところでしょうか。。。(汗

ちなみに、球とシャーシのコスト高&回路複雑でハンダ付け難/その他の
理由で、キット化はないです。
コスト的に、KA-10SHと同じくらいになったら、キット化する意味がないですよね。。。(汗