6DJ8-1626ヘッドフォンアンプ(5)2011/05/12 11:30

引き続き、6DJ8-1626シングル真空管アンプの設計です。

今回は、回路のゲイン配分最大出力を確認します。

これを実施しておかないとNFBを掛けたら出力段バイアスをフルスイングできなくなった!という事が起こりがちです。
私自身、何度も経験しました。。。(汗


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いちおう、初段の動作条件は、
バイアス-0.5Vまで使用してカットオフまでのマージン(余裕)を確保した方の動作に決定しました。

プレート電圧83V、プレート電流2.5mA、バイアス-2.5V、
カソード抵抗1KΩ、負荷抵抗27KΩ、デカップリング抵抗8.2KΩ

ですので、とりあえず、グラフが読みやすいように、
初段を±2Vスイングさせると、基準のバイアス-2.5Vを中心にして、
ロードライン上の、バイアス-0.5から-4.5Vまでスイングします。


その時の、電圧の変化量は、

ゼロバイアス側 → 83V-32V=51V
カットオフ側   → 130V-83V=47V

特性曲線の右下のバイアスの間隔が詰まっているので、カットオフ側【47V側】は、どん詰まりになって、このように歪む訳です。(←二次歪みの発生)

シングル二段増幅は、初段と出力段の位相が逆になるので、
このどん詰まりの【47V側】は、出力段のゼロバイアス側をスイングする事になります。(←コレ重要)


出力段のバイアスは、-19Vですので、
19Vを47Vで、割ると、19÷47V=0.404

まあなんと言いますか、アタマの中で仮に、NFBが掛かって初段のゲインが、0.404倍になった。とでも考えて下さい。
初段のゲインは変化しないのですけど、便宜上そう考えて下さい。。。(汗


それで、初段のゼロバイアス側【51V側】は、
51V×0.404=20.6V

となり、

NFBがかかって、初段のゲインが、0.404倍されたと想像すると。。。

出力段のゼロバイアス側は、47V×0.404 = 19V
出力段のカットオフ側は、  51V×0.404 = 20.6V

となって、初段をワザと歪ませると、出力段のバイアスを、カットオフ側に-20.6V
つまり、1.6V分を余計に、オーバー・スイングしてくれる訳です。


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カットオフ側のバイアスは、19V+20.6V=39.6Vまで振り込むので、
およそバイアスを-40Vまでスイングさせたとすると。。。


ゼロバイアス側プレート電圧変化量ΔEpは、

150V-79V = 71V です。

それに対して、カットオフ側プレート電圧変化量ΔEpは、

211V-150V = 61V


また、最大出力は、

211V-79V=132V
132V÷2√2=46.7V
46.7^2÷7000Ω=0.31W
計算上の出力は、0.31W です。


最初に仮定した初段入力電圧の、±2Vは、ピーク値ですから、

2V÷√2=1.41Vrms(実効値)

0.404倍のNFBは、おおよそ-7.9dBですので、

入力1.41Vrms、NFB-7.9dBで、
フルパワー0.31Wというアンプになるでしょうか?


これまでの検討の結果から、回路図を作成しました。


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P-G帰還抵抗値は、とりあえずの便宜上で 680KΩ としました。

実際は、カソード帰還との兼ね合いで、NFBが-7.9dBになるように、P-G帰還抵抗値を、カットアンドトライで決定します。

カソード帰還は、ON-OFFスイッチで切り替えできるようにしています。


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また、カップリングは、ジャンセン・オイルコン 300V0.056μF を使用する事にして、グリッド抵抗も CMF-55 680KΩ としました。



次回は、ハンダ付けの過程を、簡単にご紹介する予定です。


(次回につづく)


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