6RHH2-PCL86~1万円真空管アンプ(9)2011/05/01 11:20

引き続き、6R-HH2/PCL86シングルアンプを製作しています。

回路図を書き直しました。。。

初段の6R-HH2のグリッドに、発振止めの抵抗を入れただけですけど。。。

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それで、その回路図を元にして、実体配線を検討します。

うーん。うーん。悩みつつ考えて、紙に書き込んでいきます。

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実体配線図を作成しながら、並行してハンダ付け作業もしています。

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ハンダ付け作業は、まだ途中ですが、この段階の写真をご覧になると、
電源の電解コンデサーのマイナス端子を起点とするアース母線と、
初段の独立電源のアースの引き回しがよく判るかもしれません。。。(汗


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それにしても、連休になったらハンダ付けがサクサク進行するかと思ったのですが、あれやこれやの雑用で、却ってペースが遅くなりました。

まあ、頭に思い描いた予定とは、得てしてそういうものですよね。。。(汗


なんとか連休中に仕上げたいと思います。


(次回につづく)


6RHH2-PCL86~1万円真空管アンプ(10)2011/05/02 20:18

6R-HH2を初段にしたPCL86シングルアンプのハンダ付けが、
やっと終了しました。


早速、各部の電圧を測定して、チェックしたところ。。。


BT-2V電源トランスのヒーター6.3V出力を、2個シリーズ(直列)接続した、12.6Vの電圧値が、0.064Vでした。。。(汗

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通常、ヒーターをシリーズ接続する場合は、位相を揃える為に、
0V-6.3V0V-6.3V と、接続するのですが、
その通りに接続したら、12.6V出力のハズが、0.064Vでした。。。(汗

完全に“ 逆位相 ”になって、しっかりと出力を打ち消しあっています。

要するに、電源トランスにプリントしてある、『 0V 』、『 6.3V 』の表記が正確でないようで、交流出力の位相が曖昧なようです。。。(大汗

まあ、慌てず騒がず、そういうものだと思って片一方のヒーター配線を、逆に接続し直せば良いだけですけど。。。


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それで、逆にハンダ付けし直したら、12.49V出ました。

ヒーター許容電流のうち半分くらいしか電流を流さないので、13Vくらいの高めに出るかと期待していたのですが、むしろ低めに出てしまいました。

まあ、電源トランスが一個¥1700円で購入できる事を思えば、
これくらいは許容範囲(?)でしょうか。。。(汗




その他の部分では特に異常がなかったので、軽くエージングしたところ、PCL86のヒーター電圧はさらに低下して(!)12.21Vになりました。


それでも、PCL86は、べつに何事もなかったかのように、
ごく普通に鳴っております。(笑)

PCL86って、12Vでも使用できるとはウワサで聞いてましたけど、
実際に、ちゃんと鳴るんですね。なんか新鮮な驚き。。。


引き続き、エージングして、経過を観察しようと思います。



あとついでに、シャーシ内部を公開致します。


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初段6R-HH2ソケット周辺のハンダ付けが、ちょっと厳しいです。。。(汗



次回は、実測した各部の電圧値を公開する予定です。

(次回につづく)


6RHH2-PCL86~1万円真空管アンプ(11)2011/05/03 00:48

6R-HH2を初段にしたPCL86(五極部のみ使用)のシングルアンプを、現在、エージングしています。


各部の電圧値を計測しましたので公開致します。

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上掲載回路図の電圧値は、青地が設計値で、赤字が実測値です。

ヒーター6.3Vを直列に接続して12V出ない場合は、
片方の6.3V巻線(例えば、6.3V/1A)の配線を逆にして下さい。。(汗


PCL86のヒーター電圧は、実測12.21Vですけど、
別に支障なく音が出ています。

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アンプの雰囲気は、19AQ5ヘッドフォンアンプに、初段を加えたような感じです。


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しばらくは、これで音楽を聴きながら、エージングする予定です。



6R-HH2-PCL86シングルアンプは、とりあえず中締めという事で、
次回からは、6DJ8-1626シングルアンプについて書く予定です。


1626で、ヘッドフォンアンプを製作できる!と、気が付いた時点で、
http://valvolerosso.asablo.jp/blog/2011/04/25/5824827
実は、興味はそちらの方へ傾いております。(おい)


連休中に製作しようと思い、一通りのパーツは揃えています。。。(汗



次回は、1626アンプの予定です。


(次回につづく)


6DJ8-1626ヘッドフォンアンプ(1)2011/05/03 12:40

出力は0.4W弱くらいで、主にヘッドフォン使用を想定して高能率のユニットならスピーカーにも出力できる!みたいな安価なミニアンプを設計しようと思います。


去年の真空管オーディオ・フェア、バンテックさんのブースで、1626を購入しましたので、これを使用してシングルアンプを製作します。

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1626は、ヒーター電流0.25Aなので、2本だと、12.6V0.5A
PCL86の、14.5V0.6Aに近い!という事に気が付いて、http://valvolerosso.asablo.jp/blog/2011/04/25/5824827
6RHH2-PCL86~1万円真空管アンプの、
初段→6DJ8 出力段→1626 に、ちょろっと改造すれば、
1626ヘッドフォンアンプが作れてしまうなと妄想しました。


電源トランス容量が小さいので必然的にプレート電圧/電流を落とす事になり、出力はもちろん小さくなります。
しかしながら、その代わり1626の出力段バイアスが小さくなる(!)ので、6DJ8ドライブでもNFBマージンができます。
ちょろっと検討した所では、-6dBくらいはイケそうです!

6DJ8以外のもっと安価な他の球でドライブする事も考えたのですが、
いくらバイアス電圧が低くなるとはいえ、それでも-20Vくらいはあるので、
やはりgmの高い6DJ8でないとゲインが取れないようです。



ブログの記事の中では、一般的に安価であるところのラジオ少年電源トランスBT-2Vを使用していますが、ラジオ少年の電源トランスに抵抗がある人もいるかと思い、実は春日無線に無理にお願いして、PCL86用のヒーター電圧14.5Vの小さな電源トランスを試作しました。

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ヒーター容量は、14.5V 0.6A / 6.3V 0.4A
B電圧は、150V AC 55mA ブリッジ整流DC 35mA 

春日から新発売されたラジオ用の電源トランスB6S12WCDの、
http://www.e-kasuga.net/goods.asp?id=979
PCL86用のヒーター電圧14.5V版みたいなものでしょうか???


今日の日記の通り、1626も使用できそうなので、12.6V端子を追加して、ヒーター端子を0V-12.6V-14.5V/0.6A にしたトランスを試作しようかなと、実は画策しております。。。(汗

ヒーター電圧14.5/12.6Vの小さな電源トランスがあれば、PCL86/1626の小規模な実験ができて、いろいろ利便性が良いので、真空管ヘッドフォンアンプ等を製作するユーザーからの需要が、結構あるのでは?と思いました。
連休明けに、春日無線に発注して、試作する予定でいます。


ちなみに、少量生産の単品製作/特注トランスですので、
一個あたりの価格は高くなりますので、三千円台中~後半/個かな?
と予想しております。。。(汗


今回、製作するアンプには、12.6V端子を追加した電源トランスが間に合いませんので、ドロッパー抵抗3.9Ω/10Wで、ヒーター電圧を落として使用する予定です。

0.5A×3.9Ω=1.95V
14.5V-1.95V=12.55V

1626のヒーターは、12.55Vで点火する事になるでしょうか???


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あと、シャーシと電源トランス・ケースは、奥澤NC-7タカチMB-31を使用するつもりですので、外観デザインは、ちょびっと洒落た感じ(!)になるハズです。

12.6V端子を追加した特注の電源トランス価格を、おおよそ¥3500として、部品代をざっくりと計算してみたところ、球なしで一万五千円くらいでした。


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電源トランスとシャーシを良くすると、やっぱりコストが高くなりますね。。(汗


次回は、1626アンプの出力段設計の予定です。

(次回につづく)


6DJ8-1626ヘッドフォンアンプ(2)2011/05/04 23:03

6DJ8を初段にした1626シングルアンプを設計していきます。

真空管アンプの製作費は、トランス類で決まってしまうので、
まず最初に使用するトランスを決めてしまいます。

製作費を安価にする為に、電源トランスは、ラジオ少年BT-2V
出力トランスは、春日無線OUT41-357 Sタイプとして、
それに合わせてロードラインを検討します。

ちなみに、実際の製作は、前回の記事に書きました春日製の特注トランスを使用します。
春日製の特注トランスはコアに余裕があり出力電圧が高めに出ますので、
B電圧端子は、150V出力です。
150V×1.32倍 = 198V と予想しています。

一方、前回の6R-HH2-PCL86シングルの実績から、
ラジオ少年のBT-2V電源トランスの出力電圧は、
160V×1.22倍 = 195.2V くらいと予想されます。
(実測値は、194.7Vでした。。。)


まあ、つまり、BT-2Vの160V出力と、春日製の150V出力が、
同じくらいという事なのですが。。。(大汗



【出力段】の設計

BT-2Vトランス 出力電圧160V 許容電流60mA 60mA×0.64=38.4mAですので、
ブリッジ整流の場合の電源トランス許容電流は、約38mAです。
(春日製特注 電源トランス許容電流は、約35mAです。)

一方、OUT41-357Sタイプ出力トランスの許容電流は、15mAです。


出力トランスの許容電流が15mAですから球のバラツキを考慮すれば、
回路に流すプレート電流は12.5mAくらいでしょうか?

以上の事から、特性図にプレート電流12.5mAのラインを引いて、
電源トランスの出力電圧160Vですから、だいたい160V周辺のプレート電圧の交点付近を見てみます。
http://www.mif.pg.gda.pl/homepages/frank/sheets/049/1/1626.pdf

特性図の目盛りがおおざっぱで、プレート電圧が判りにくいので、
とりあえず、プレート電圧150V、プレート電流12.5mAの交点をプロットしてみます。交点は、だいたい、バイアス-19Vくらいのようです。

1626の動作点内部抵抗は3.5KΩくらいですので、その2倍は7KΩですので、7KΩのロードラインを引いてみます。


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上記のロードラインと、ゼロバイアス線との交点のプレート電流は、
およそ22.5mAくらいなので、その1/2は、11.25mAですので、
どうやら電力効率最大の動作点と、それほど差異はないようです。

引いてみたロードラインは、ハズレではなさそう。。。(ホッ)


従って、動作基準点は、

プレート電圧150V、プレート電流12.5mA、バイアス-19V、
負荷7KΩ、カソード抵抗1.5KΩ


とします。


ただし、この1626特性図のカットオフ周辺のバイアス線は、あまり信用できないような気がします。
ロードライン上のバイアス-24Vから-32Vまでの間隔と、-32Vから-40Vまでの間隔を比べると、-32Vから40までの方が広いです。

バイアスが深い方が、バイアス線の間隔が広いというのは、ちょっと考え辛いです。。。(汗


ですから、この後、最大出力と二次歪み打ち消しの検討をしますが、
カットオフ周辺のバイアス線が、『?』なので、あまり当てになりそうもありません。いちおう、だいたいそのくらいの数値である。
という事で、あくまで参考という事にしておいて下さい。。。(大汗



さて、出力段の動作点が決定したら、後は【B電圧】を求めます。

プレート電圧150Vにバイアス電圧19Vを加えた、
対アース電圧のプレート電圧169Vに、
出力トランス直流抵抗(DCR)電圧降下分を、さらに加えたものが、
【B電圧】です。

春日製OUT41-357の出力トランス一次側/直流抵抗(DCR)は、
330Ωですので、電圧降下は、

(プレート電流)0.0125A×(DCR)330Ω = 4.1V

169V+4.1V= 173.1V

これが、いわゆる【B電圧】で、これを求めないと設計できないという、
回路のキモです。




ちなみに、これはオマケですが。。。


1626のピンアサインと、12A6GTのピンアサイが被ります。
4番ピンのスクリーンを、3番ピンのプレートに繋げれば、ソケット上のピンアサインは、12A6三極管接続と共通になるハズです。

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ただしバイアスが全然違うので、カソード抵抗の値が全く異なります。


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http://www.mif.pg.gda.pl/homepages/frank/sheets/049/1/12A6.pdf

ざっくり検討した所では、カソード抵抗は、おおよそ820Ωくらいです。

つまり、カソード抵抗の値を、1.5KΩ←→820Ωと切り変えできれば、1626と12A6が差し替え可能になるということでしょうか???


1626と同様に、何気に12A6GTのファンが多かったりするので、
ちょっとおまけで書いてみました。。。(汗




次回は、初段のロードラインを設計しようと思います。

(次回につづく)


6DJ8-1626ヘッドフォンアンプ(3)2011/05/07 10:55

今回は、初段6DJ8のロードラインの設計です。


【初段】の設計

 初段設計の際は、以下の制約があります。

 a.デカップリング時定数は、段間の時定数よりも、充分大きいのが
   望ましい。

       NFB量が-6dB以下でしたら、とりあえず、
   デカップリング抵抗10KΩくらい、コンデンサ-が33~47μFなら
   時定数は、0.33~0.47で段間の時定数の10倍ほどになります
   ので、このあたりの常識的な数値なら問題ないのでは?。。。(汗

 b.負荷抵抗は、真空管の内部抵抗よりも大きくなければならない。
   
 c.バイアス-1V以下は、初速度電流領域なので使用しない。



負荷抵抗は6R-HH2-PCL86アンプの時と同様に27KΩを想定しています。
このあたりの詳細については、過去記事をご参照下さい。
http://valvolerosso.asablo.jp/blog/2011/04/17/5811335
ロードラインの引き方についても上記の記事中で詳しく説明しております。ロードラインの引き方がよく分からない方も、ご参照ください。



そんな訳ですので、27KΩ1Wで、ワッテージのディレーティングを6倍確保すると考えると、流せる電流は2~2.5mA位です。

初段電流が2mAくらいで、デカップリング抵抗を10KΩ前後にすると、
デカップリングでの電圧降下は、おおよそ20Vくらいです。

B電圧が、173.1Vですから、
173.1V-20V=153.1V

つまり、初段供給電圧(Ebb)が153.1Vですから、
ロードラインの起点は、初段供給電圧(Ebb)からバイアス分(2Vくらい?)を差し引いた、151.1Vのあたりという事になるでしょうか?





上記のような事を、頭の中で考えて、実際にロードラインを引いてみます。


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プレート電圧95V、プレート電流2mA、バイアス-3V、
カソード抵抗1.5KΩ、負荷抵抗27KΩ、
デカップリング抵抗10KΩ


入力電圧が、2Vpeak(=1.41Vrms)を想定していますので、かなり強引な設計です。
6DJ8で、なんとかゲインを取ろうという苦労が偲ばれます。。。(汗

実際、これでアンプを製作したら入力感度が悪くて、いまいち使いづらいかもしれません。
まあ、6DJ8でドライブするのですから、この辺りはしょうがないです。


ただし、上記のロードラインは、初速度電流領域-1V以下を使用しないロードラインですので、カットオフまでのマージン(余裕)がありません。

初速度電流が流れ始めるのは、だいたい-0.7Vあたりという事ですし、
流れたとしても、2~3μAですから、初段電流2mAの、1/1000倍(!)です。
初速度電流の影響は、あまりないとも考えられます。

このあたりの考え方は、人それぞれで、
実際に、初段の設計で、ゼロバイアスまで目一杯使用する設計も、かなり目にします。


つまり、バイアス-1V以下を使用するかどうかは各自の裁量というところでしょうか???


それで、バイアス-0.5V周辺まで使用して、カットオフまでのマージン(余裕)を確保した別バージョンの動作点も考えました。


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プレート電圧83V、プレート電流2.5mA、バイアス-2.5V、
カソード抵抗1KΩ、負荷抵抗27KΩ、
デカップリング抵抗8.2KΩ


現在の所、どちらの動作点にするかまだ迷っていて、
初段動作を、どうするのか決定していません。
。。(汗


カソード抵抗 → 1K、1.5K
デカップリング抵抗 → 
8.2KΩ10KΩ

の両方のパーツを準備しています。
(単に、手持ち部品ですけど。。。)



【電源平滑部】の設計


まず、電源トランスの出力電圧を予想します。

出力電圧については、書籍『情熱の真空管』 P.111に書いてあります。
今回の回路ですと1.22倍と仮定して、

160V×1.22 = 195.2V

春日特注トランスですと、1.32倍くらいで、

150V×1.32 = 198V

と予想しています。


出力電圧は195.2V~198Vとしました。

また、これまでの設計から、

出力段 12.5A×2 = 25mA
初段 2mA×2 = 4mA
100KΩのブリーダーとすれば、1.71mA

とすると、回路に流れる総電流は、合計30.7mAです。


出力電圧198Vから、【B電圧】173.1を引いて、
回路の総電流30.7mAで割れば、電源平滑部の抵抗値が求まります。

(198V-173.1V)/0.0307A = 811.1Ω

811.1Ω÷4 = 203Ω
 
よって、電源部の抵抗は、200Ωを4個、使用します。



次回は、ゲイン配分の確認と、最大出力の計算をご紹介する予定です。

(次回につづく)


6DJ8-1626ヘッドフォンアンプ(4)2011/05/08 15:30

現在、制作中の6DJ8-1626ヘッドフォンアンプですが、
設計作業と並行して、ケース加工組立ハンダ付けを開始しています。



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シャーシは、奥澤オリジナルの NC-7 (¥2,394)。
タカチUSシャーシの廉価版みたいなシャーシです。

ちょっと価格は高くなりますけど、
黒染めシャーシNC-7B(ブラックアルマイト)もあります。

電源トランス・ケースは、タカチMB-31を流用します。


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春日6B型トランスを、タカチMB-31に収める時は、
バンドカバーの端を、ちょっと折り曲げて対角に収めます。
こうしないと、入りません。

この辺りのノウハウは、19AQ5HPA祭りの伝統(?)です。。。(汗



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今回の、1626アンプは、NFBマージンがないので、P-G帰還を掛けた上で、さらに、カソード帰還が掛けられるかどうか分かりません。

ですから、カソード帰還ON-OFFの為の6Pスイッチを追加しました。

カソード帰還をかけると音量がどの程度NFBに食われてしまうのか?スイッチを切り替えて試聴しながら判断する予定です。

実用になる音量が出ればOK。みたいな感じでしょうか???

いずれにしましても、P-G帰還量との兼ね合いなので、P-G帰還抵抗値カソード帰還量は、カットアンドトライになるのではないでしょうか?

 
なお、6Pスイッチは、1626←→12A6GTの切り替えスイッチとして使用しても良いのです。。。(汗



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外装の組立が終了したので、1626を挿してみました。

ST管は、やっぱりカッコイイかもしれません。。。(汗




次は、アンプ外装&内部で使用するパーツ群です。

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ボリュームは、マルツ50KΩ(A)
シャーシとの隙間を埋めるワッシャ3枚

スイッチ付き標準ジャック。
先端の出代を調整する為の菊座とワッシャ。交互に入れます。

RCA入力コネクタは、秋月のヤツです。

スピーカー端子は、一個60円の安物。
ネオンランプは、見栄えの良い高級品(?)。。。(汗

ヒューズフォルダとACコードは、千石B1Fで売ってるモノ。



続いて、CRパーツ類です。


電源の電解コンは、春日無線の近くの小沢商会で購入した日ケミKMG
ついでに、250V/120Vスパークキラーも購入。
電解コンにパラるフィルムコンは、日通工ポリプロピレン

パスコンは秋月で売り始めたニチコンKZ。一個40円。安いです。
初段負荷と出力段カソード抵抗は、三栄電波の KOA SPR1C/3C
初段カソード抵抗は、デールRN60
発信止め抵抗は、デールCMF-55
グリッド抵抗は、タクマン・カーボン。

カップリングは、イエンツェンCrossCap
あるいは、ジャンセン・オイルコン
どちらにするかは、試聴で決める予定です。。。(汗



。。。。。それで。

設計は、まだ終わっていませんが、
もうすでに電源周りからハンダ付けを開始しています。。。


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ダイオードは、UF4007 ウルトラファーストリカバリー
USオクタル・ソケットは、オムロン製です。
出力トランスOUT41-357はSタイプを使用します。


今後、実体配線図を、詳細に検討しながら(!)、ハンダ付けしていく予定です。。。(汗



次回は、ゲイン配分の確認と、最大出力の計算をご紹介する予定です。


(次回につづく)


6DJ8-1626ヘッドフォンアンプ(5)2011/05/12 11:30

引き続き、6DJ8-1626シングル真空管アンプの設計です。

今回は、回路のゲイン配分最大出力を確認します。

これを実施しておかないとNFBを掛けたら出力段バイアスをフルスイングできなくなった!という事が起こりがちです。
私自身、何度も経験しました。。。(汗


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いちおう、初段の動作条件は、
バイアス-0.5Vまで使用してカットオフまでのマージン(余裕)を確保した方の動作に決定しました。

プレート電圧83V、プレート電流2.5mA、バイアス-2.5V、
カソード抵抗1KΩ、負荷抵抗27KΩ、デカップリング抵抗8.2KΩ

ですので、とりあえず、グラフが読みやすいように、
初段を±2Vスイングさせると、基準のバイアス-2.5Vを中心にして、
ロードライン上の、バイアス-0.5から-4.5Vまでスイングします。


その時の、電圧の変化量は、

ゼロバイアス側 → 83V-32V=51V
カットオフ側   → 130V-83V=47V

特性曲線の右下のバイアスの間隔が詰まっているので、カットオフ側【47V側】は、どん詰まりになって、このように歪む訳です。(←二次歪みの発生)

シングル二段増幅は、初段と出力段の位相が逆になるので、
このどん詰まりの【47V側】は、出力段のゼロバイアス側をスイングする事になります。(←コレ重要)


出力段のバイアスは、-19Vですので、
19Vを47Vで、割ると、19÷47V=0.404

まあなんと言いますか、アタマの中で仮に、NFBが掛かって初段のゲインが、0.404倍になった。とでも考えて下さい。
初段のゲインは変化しないのですけど、便宜上そう考えて下さい。。。(汗


それで、初段のゼロバイアス側【51V側】は、
51V×0.404=20.6V

となり、

NFBがかかって、初段のゲインが、0.404倍されたと想像すると。。。

出力段のゼロバイアス側は、47V×0.404 = 19V
出力段のカットオフ側は、  51V×0.404 = 20.6V

となって、初段をワザと歪ませると、出力段のバイアスを、カットオフ側に-20.6V
つまり、1.6V分を余計に、オーバー・スイングしてくれる訳です。


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カットオフ側のバイアスは、19V+20.6V=39.6Vまで振り込むので、
およそバイアスを-40Vまでスイングさせたとすると。。。


ゼロバイアス側プレート電圧変化量ΔEpは、

150V-79V = 71V です。

それに対して、カットオフ側プレート電圧変化量ΔEpは、

211V-150V = 61V


また、最大出力は、

211V-79V=132V
132V÷2√2=46.7V
46.7^2÷7000Ω=0.31W
計算上の出力は、0.31W です。


最初に仮定した初段入力電圧の、±2Vは、ピーク値ですから、

2V÷√2=1.41Vrms(実効値)

0.404倍のNFBは、おおよそ-7.9dBですので、

入力1.41Vrms、NFB-7.9dBで、
フルパワー0.31Wというアンプになるでしょうか?


これまでの検討の結果から、回路図を作成しました。


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P-G帰還抵抗値は、とりあえずの便宜上で 680KΩ としました。

実際は、カソード帰還との兼ね合いで、NFBが-7.9dBになるように、P-G帰還抵抗値を、カットアンドトライで決定します。

カソード帰還は、ON-OFFスイッチで切り替えできるようにしています。


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また、カップリングは、ジャンセン・オイルコン 300V0.056μF を使用する事にして、グリッド抵抗も CMF-55 680KΩ としました。



次回は、ハンダ付けの過程を、簡単にご紹介する予定です。


(次回につづく)


6DJ8-1626ヘッドフォンアンプ(6)2011/05/15 10:52

6DJ8-1626シングル真空管アンプのハンダ付け工程をご紹介します。




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AC100Vライン、入力→ボリュームライン、
電源トランス二次側(B電圧/ヒーター)、ブリッジダイオード周辺を、
まず初めにハンダ付けしていきます。



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ヒーター配線、電源部のコンデンサー、B電圧ライン、デカップリング回路、
アース母線と初段の独立電源コンデンサーをハンダ付けしています。



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出力段1626のカソード抵抗、バイパスコンデンサー、グリッド抵抗。

なお、カソード帰還は6Pスイッチで切り替えます。
バイパスコンデンサーを、アースに落とせば、カソード帰還OFF
出力トランス二次側に接続すれば、カソード帰還がONになります。



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スイッチ付き標準ヘッドフォンジャックを利用して、出力トランス二次側の出力を切り替えます。
スピーカー8Ωと、ダミーロード8Ωをスイッチで切り替えます。



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初段の負荷抵抗(KOA SPR1C/27KΩ)を独立電源用コンデンサーのプラス端子からハンダ付けします。
あと、グリッド入力発信止抵抗と、グリッド抵抗をハンダ付けします。

スペースがないので、かなり細かい作業です。。。(汗



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初段のカソード抵抗(デールRN60/1KΩ)と、バイパスコンデンサーを、
独立電源用コンデンサーのマイナス端子へハンダ付けします。

負荷抵抗バイパスコンデンサーを、独立電源用コンデンサーの、
プラス側/マイナス側それぞれのラグ端子にハンダ付けすれば、
音声の交流信号は、アース母線を経由せずに左右独立してループします。




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ボリュームからの入力ラインと、カップリングのオイルベーパーコンデンサーをハンダ付けして完成です!!



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各部の電圧をパパッと計測して特に異常がなかったので、
スピーカーに接続して音出ししてみます。


50KΩ(Aカーブ)ボリューム+帰還抵抗680KΩ/P-G帰還のみの組み合わせで、ボリュームの位置はちょうど12時のあたりで適量という感じです。やっぱりちょっと入力感度が悪いです。。。(汗


普段、私はシングル二段増幅アンプを、縦型シャーシで製作しないのですが、前回のPCL86アンプといい、これはこれで使い勝手が良い気がします。

ヘッドフォンアンプとして使用するなら、シャーシを縦方向で使用するレイアウトの方が良いかもしれません。




これは、蛇足ですが。。。


かなり個人的な事情(!)で、
通常、真空管アンプ製作する場合は、横型シャーシで製作します。


つまり、アンプシャーシを横型のレイアウトで使用すると、
フィギュアを載せるスペースが確保できます。。。(汗



ご参考までに、アンプを横位置レイアウトで使用した場合の内部をご紹介します。

12AX7-1626シングル真空管アンプ/内部の部品レイアウト
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ちなみに、このアンプを製作したのは数年前なので、作った本人は忘れていましたが、今回、改めて内部写真を見てみたら。。。

チョークトランス+全段独立電源(!)とか、かなり凝った回路になっています。当時の私は、かなり気合いを込めて製作したようです。

やっぱり、1626は、思い入れがありますし。。。(汗



12AX7-1626シングル真空管アンプ (ヘッドフォン/スピーカー両用)
グッドスマイルカンパニー 狼と香辛料 ホロ
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横型シャーシでアンプを製作すると、100×100寸法のアクリルステージを設置できるスペースができます。。。(汗


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12AX7-1626シングル真空管アンプ (ヘッドフォン/スピーカー両用)
Wave ToHeart2 ルーシー・マリア・ミソラ メイドVer.
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次回は、数日間エージングした後、各部の電圧値を実測したデータをご紹介する予定です。

(次回につづく)


真空管ヘッドフォンアンプいろいろ その42011/05/15 16:20

前回の記事で、真空管アンプシャーシを縦方向で使用すると、
フィギュアが飾れない!と書きましたけど。。。


実は、春日無線19AQ5ヘッドフォンアンプ(廃止キット)とか、
E81Lヘッドフォンアンプ(KA-20SH 現行発売キット)のような、
単管
構成のアンプ
でしたら、100×100寸法のアクリルステージを設置できるスペースがあります。

過去に私が製作したヘッドフォンアンプは、すべて縦型シャーシを使用していました。


春日無線19AQ5ヘッドフォンアンプ改造版
強化電源搭載、出力管を1626に変更。
アルター製 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 2ndGIG 草薙素子
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春日無線19AQ5ヘッドフォンアンプ改造版
強化電源搭載、出力管を6BF6に変更。
アマゾン限定版 グッドスマイルカンパニー
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society 草薙素子
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春日無線の19AQ5ヘッドフォンアンプは、現在は廃止キットですし、
2007年頃ですので、今から4年くらい前の話題です。

アンプの上に載っているフィギュアも当時のフィギュアですので、
今現在、改めて見ると、なんだか懐かしいですね。。。
自分で言うのもナンですけど、いろいろとよく作ったモノです。。。(汗




。。。という訳で、真空管ヘッドフォンアンプいろいろ 第四弾いきます。


以下の写真は、真空管ヘッドフォンアンプと萌フィギュアの写真です。
萌フィギュアとか苦手な人はくれぐれも見ないようにお願い致します。

いやホント、すみません。なんだか懐かしくて、つい。。。(汗




春日無線19AQ5ヘッドフォンアンプ改造版
強化電源搭載、出力管を 6BF6 に変更。
アルター製 Fate/stay night セイバーメイドVer.
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春日無線19AQ5ヘッドフォンアンプ改造版
標準トランス、出力管を HY615 に変更。
コトブキヤ製 夜明け前より瑠璃色な フィーナ・ファム・アーシュライト
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春日無線19AQ5ヘッドフォンアンプ改造版
強化電源搭載、出力管を 6BF6 に変更。
マックスファクトリー製 ARIA アリシア・フローレンス
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春日無線19AQ5ヘッドフォンアンプ 標準仕様
メガハウス製 メルティ・ブラッド シオン
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春日無線19AQ5ヘッドフォンアンプ 標準仕様
アルター製 Fate/stay night 間桐桜
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春日無線19AQ5ヘッドフォンアンプ 標準仕様
グッドスマイルカンパニー Fate/stay night 遠坂凛メイドVer.
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春日無線19AQ5ヘッドフォンアンプ改造版
強化電源搭載、出力管を 6BF6 に変更。
グッドスマイルカンパニー Fate/stay night セイバーメイドVer.
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春日無線19AQ5ヘッドフォンアンプ改造版
強化電源搭載、出力管を 6BF6 に変更。
海洋堂 新世紀エヴァンゲリオン 綾波レイ、ロンギヌスの槍Ver.
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春日無線19AQ5ヘッドフォンアンプ改造版
強化電源搭載、出力管を 6BF6 に変更。
ボークス製 かすたまP 新世紀エヴァンゲリオン 綾波レイ
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どうもお目汚し失礼しましたっ!