単段E81L/6BQ7パラレル真空管アンプ(1) ― 2012/05/23 17:50
大変お待たせ致しましたが、先日よりお知らせしている、卵かけご飯のような超・簡単な単段6BQ7パラレル出力0.15Wシングル真空管アンプの記事を書きたいと思います。
その前に、2点ほどお断りしておきますが。。。
(1)アンプに接続するソース機器(再生機器)は、据え置き型CDプレーヤー、あるいは、高級(?)D/Aコンバーター・ボード等の2Vrms出力機器です。携帯プレーヤーで使用する場合は、ライントランスやバッファ・アンプ等で、出力電圧を昇圧する必要があります。
(2)アンプの出力側に接続するスピーカーは、能率91dB以上の高能率ユニットが必須です。93dB以上を推奨致します。
私個人は、12cmフルレンジユニットの FOSTEX 126E 能率93dB を使用しています。
その前に、2点ほどお断りしておきますが。。。
(1)アンプに接続するソース機器(再生機器)は、据え置き型CDプレーヤー、あるいは、高級(?)D/Aコンバーター・ボード等の2Vrms出力機器です。携帯プレーヤーで使用する場合は、ライントランスやバッファ・アンプ等で、出力電圧を昇圧する必要があります。
(2)アンプの出力側に接続するスピーカーは、能率91dB以上の高能率ユニットが必須です。93dB以上を推奨致します。
私個人は、12cmフルレンジユニットの FOSTEX 126E 能率93dB を使用しています。
能率93dB フォステクス FE126E (廃品種)
フォステクスFE126E+バスレフ・エンクロージャ
現在、バスレフ用の高能率のユニットは、コイズミオリジナル FE127KO あたりでしょうか???
現在、バスレフ用の高能率のユニットは、コイズミオリジナル FE127KO あたりでしょうか???
能率91dB コイズミオリジナル FE127KO
要するに当該アンプは、据え置き型CDプレーヤー等から来る大きな入力電圧を有効活用し、超小出力アンプをドライブして、高能率のスピーカー・ユニットで出力する。という設計思想になっておりますので、能率の良いスピーカー・ユニットを使用するのが大前提になっています。
以上のように注意事項をお知らせしたので、それでは実際の設計に入りたいと思います。
まず、このアンプで使用するトランス類のご紹介から。。。
(1)出力トランスは、春日無線OUT41-357です。
要するに当該アンプは、据え置き型CDプレーヤー等から来る大きな入力電圧を有効活用し、超小出力アンプをドライブして、高能率のスピーカー・ユニットで出力する。という設計思想になっておりますので、能率の良いスピーカー・ユニットを使用するのが大前提になっています。
以上のように注意事項をお知らせしたので、それでは実際の設計に入りたいと思います。
まず、このアンプで使用するトランス類のご紹介から。。。
(1)出力トランスは、春日無線OUT41-357です。
私個人的に、OUT41-357の音が好きなので採用していますけど、今回のアンプはNFBを掛けない(実際のところは出力が小さすぎて掛けられない。。。)ので、一次インピーダンスが7KΩのモノでしたら何でもOKです。
(2)電源トランスは、春日無線B6S12WCDです。
E81Lヘッドフォンアンプ・キットでは、専用トランスSS-001
1次側:0V-100VV
2次側:0V-125V AC 60mA DC 38mA
0V-6.3V AC 1A
125V×1.32倍=165V 出力電圧として設計しています。
キット専用トランスでは、一般では入手できませんが、幸いB6S12WCD電源トランスで代用できます。
ちなみに、私自身が試作を行った時は、19AQ5ヘッドフォンアンプ限定版用電源トランスを使用しました。。。(汗
春日無線オリジナル電源トランス B6S12WCD
http://www.e-kasuga.net/goods.asp?id=979
1次側:0V-90V-100V-110V
2次側:0V-100V-110V AC 120mA DC 76mA MAX
0V-6.3V AC1.2A MAX
一次と二次の組み合わせを変える事で、
91V、100V、110V、122V、の端子出力電圧で使用できます。
今回は、一次側90Vに100Vを接続して、二次側110V端子から122Vを取り出します。
許容電流に対して消費電流が少ないですから、出力電圧は高めに出ると予想して、
122V×1.35倍=165V くらいの出力電圧と仮定しています。
(3)本日の記事で使用する球は、E81Lです。
http://www.e-kasuga.net/goods.asp?id=979
1次側:0V-90V-100V-110V
2次側:0V-100V-110V AC 120mA DC 76mA MAX
0V-6.3V AC1.2A MAX
一次と二次の組み合わせを変える事で、
91V、100V、110V、122V、の端子出力電圧で使用できます。
今回は、一次側90Vに100Vを接続して、二次側110V端子から122Vを取り出します。
許容電流に対して消費電流が少ないですから、出力電圧は高めに出ると予想して、
122V×1.35倍=165V くらいの出力電圧と仮定しています。
(3)本日の記事で使用する球は、E81Lです。
タングスラム E81L
先ず、E81Lにてアンプ全体の設計を行い、後日に出力段を6BQ7パラレルに変更致します。
先ず、E81Lにてアンプ全体の設計を行い、後日に出力段を6BQ7パラレルに変更致します。
【出力段】の設計
製作費を安価にする為に、電源トランスは、春日無線B6S12WCD、
出力トランスは、春日無線OUT41-357 として、
それに合わせてロードラインを検討します。
B6S12WCDトランス出力電圧122Vの場合、許容電流は108mAくらい。 108mA×0.64=69.1mAですので、
ブリッジ整流の場合の電源トランス許容電流は、約70mAです。
OUT41-357出力トランスの許容電流は、20mAです。
ギャップを詰めて一次インダクタンスをアップさせた、
OUT41-357Sタイプ出力トランスの許容電流は、15mAです。
できればSタイプトランスも使用してみたかった(!)ので、回路に流すプレート電流は14mAくらいとしました。
一方、入力には据置型CDプレーヤー2Vrms出力からの接続を想定していますが、CD情報がフルビット立った時に2Vrms出力なので、常時2Vrms出力している訳ではありません。
ですから、出力段の動作は、おおよそ1Vrms前後の入力を目安にしています。1Vrms=片側ピーク1.41Vpeak(2.82Vp-p)ですので、多少のマージンを含めて最低でもバイアスは-1.5Vくらい欲しい所です。
また、出力段プレート電流は球によるバラツキがありますので、バイアス電圧も、バラツキにより変動します。
そこで、バイアスは、1.75V±0.25V(1.5~2.0V)くらいかな?と考えたのですけど、1.75V÷0.014A=125Ωですので、抵抗値をE12系列にする為に120Ωとして、プレート電流14mA、バイアス-1.7V、カソード抵抗120Ωとしました。
出力トランスは、春日無線OUT41-357 として、
それに合わせてロードラインを検討します。
B6S12WCDトランス出力電圧122Vの場合、許容電流は108mAくらい。 108mA×0.64=69.1mAですので、
ブリッジ整流の場合の電源トランス許容電流は、約70mAです。
OUT41-357出力トランスの許容電流は、20mAです。
ギャップを詰めて一次インダクタンスをアップさせた、
OUT41-357Sタイプ出力トランスの許容電流は、15mAです。
できればSタイプトランスも使用してみたかった(!)ので、回路に流すプレート電流は14mAくらいとしました。
一方、入力には据置型CDプレーヤー2Vrms出力からの接続を想定していますが、CD情報がフルビット立った時に2Vrms出力なので、常時2Vrms出力している訳ではありません。
ですから、出力段の動作は、おおよそ1Vrms前後の入力を目安にしています。1Vrms=片側ピーク1.41Vpeak(2.82Vp-p)ですので、多少のマージンを含めて最低でもバイアスは-1.5Vくらい欲しい所です。
また、出力段プレート電流は球によるバラツキがありますので、バイアス電圧も、バラツキにより変動します。
そこで、バイアスは、1.75V±0.25V(1.5~2.0V)くらいかな?と考えたのですけど、1.75V÷0.014A=125Ωですので、抵抗値をE12系列にする為に120Ωとして、プレート電流14mA、バイアス-1.7V、カソード抵抗120Ωとしました。
以上の事から、E81L三結特性図にプレート電流14mAのラインを引いてバイアス-1.7Vとの交点のプレート電圧の値を読んでみます。
交点はおおよそプレート電圧128Vくらいのようです。
内部抵抗は3.25KΩくらいですので、その2倍は6.5KΩですので、7KΩのロードラインを引いてみます。
上記のロードラインと、ゼロバイアス線との交点のプレート電流は、20mAくらいなので、その1/2は10mAですので電力効率最大の動作点より、かなりプレート電流が多いようです。
しかしながら、注目すべきはプレート電圧変化量(41V)です。
ゼロバイアス側とカットオフ側のプレート電圧変化量が等しくなっています。
E81Lの三結特性は直線性が良くて、バイアス線がおよそ等間隔に並んでいるのでこうなります。
つまり、単段アンプは前段との二次歪み打ち消しはなく出力段で発生した歪みはそのまま出力されますので、電力効率を良くして出力を増やすよりも、二次歪みを少なくする動作点にしています。
本来、E81L三結はプレート損失5.6Wあって、もっと出力が取れますので、かなり贅沢な使い方です。
マグロ一尾から大トロの部分だけ取り出すとか、牛一頭から極上霜降りの部分だけ(!)取り出しました。みたいな??? (おい)
そんな訳で、動作点は上記のポイントに決定しました。
プレート電圧128V、プレート電流14mA、バイアス-1.7V、
負荷7KΩ、カソード抵抗120Ω
とします。
さて、出力段の動作点が決定したら、後は【B電圧】を求めます。
プレート電圧128Vにバイアス電圧1.7Vを加えた、
対アース電圧のプレート電圧129.7Vに、
出力トランス直流抵抗(DCR)電圧降下分を、さらに加えたものが、
【B電圧】です。
春日製OUT41-357の出力トランス一次側/直流抵抗(DCR)は、
330Ωですので、電圧降下は、
(プレート電流)0.014A×(DCR)330Ω = 約4.6V
129.7V+4.6V= 134.3V
これが、いわゆる【B電圧】で、これを求めないと設計できないという、
回路のキモです。
【電源平滑部】の設計
まず、電源トランスB6S12WCDの出力電圧を予想します。
出力電圧については、書籍『情熱の真空管』 P.111に書いてあります。
今回は、一次側90Vに100Vを接続して、二次側110V端子から122Vを取り出します。
許容電流に対して消費電流が少ないですから、出力電圧は高めに出ると予想して、
122V×1.35倍=165V くらいと仮定しました。
また、これまでの設計から、
出力段 14mA×2 = 28mA
100KΩのブリーダーとすれば、1.3mA
とすると、回路に流れる総電流は、合計29.3mAです。
出力電圧165Vから、【B電圧】134.3Vを引いて、
回路の総電流29.3mAで割れば電源平滑部の抵抗値が求まります。
(165V-134.3V)/0.0293A = 1048Ω
1048Ω÷4 = 262Ω
よって、電源部の抵抗は、270Ω2W を4個、使用します。
【最大出力】の計算
最大出力については、書籍『情熱の真空管』 P.76に書いてあります。
プレート電圧のピークからピークを取った電圧変化量ΔEpで計算する式で計算しますと、
169V-87V=82V
82V÷2√2=29.0V
29^2÷7000Ω=0.12W
出力は、0.12Wとなります。
ちなみに、E81Lヘッドフォンアンプを、スピーカー出力バージョンに改造したユーザー様からの情報によりますと、JBL4312を事務所で鳴らしていたらしいです。。。(滝汗
JBL4312 は能率91dBです。
あんな重そうなコーン紙のJBLで鳴るんだったら、コーン紙が軽いアルテックなら楽勝で鳴りそうな気がしますが。。。ていうか、設計者はそんなデカいいスピーカーを想定していない(!)ので、ご使用の際は、ほどほどにして下さい。せめて アルテック CF404-8A あたりで勘弁して下さい。。。(涙
。。。。。(大汗
次回は、回路図と出力段を6BQ7パラレルに変更した場合の事について書く予定ですが、場合によってはWE408Aハイブリッド・ヘッドフォンアンプになるかもしれません。
実は、何だかんだ言ってWE408Aが気になって仕方がないです。。。(汗
( なんじゃそりゃ。。。(^_^; )
追伸
WE408Aハイブリッド・ヘッドフォンアンプに使用するパーツなのですけど。
パーツが全て揃っていると思ったのですけど、意外な盲点と言いますか、LEDパイロットランプが手持ちになかったです。。。(汗
私は、通常、AC100Vパイロットランプを使用するので、48V ACアダプター用の直流用LEDパイロットランプがありませんでした。。。
一個100円のLEDパイロットランプの為に、700円くらいの電車賃払って秋葉原に買いに行くのもナンだよなあー。と悩んでいたのですけど、若松の通販って、250g以下は定形外郵便240円。だったのですね。いまさらながら気が付きました。他のショップは宅配便の所が多いようです。
うーむ。
宅配だと受け取らなければいけないので、勝手にポストに投函しておいてくれる定形外郵便は実に有り難い。送料安いしっ!!
という訳で、若松通商から通販しました。
ついでに、63V耐圧の電解コンデンサーも買いました。
19J6ハイブリッド・ヘッドフォンアンプのオリジナル回路は、63V耐圧のコンデンサーを使用しているのですけど、63Vとか中途半端な耐電圧のコンデンサーって、秋月とか千石にないんですよね。。。(汗
秋月とか千石は、みんな耐圧50Vが多いようです。
私個人は、100V、160V、200Vあたりで代用しようと考えていたのですけど、一個105円で63V耐圧があるなら、それでオッケー!
大売出し 63V/820uF 105℃ CE04HQ1J821 Panasonicゴールドマーク
http://www.wakamatsu-net.com/cgibin/biz/pageshousai.cgi?code=21250729&CATE=2125
出力電圧については、書籍『情熱の真空管』 P.111に書いてあります。
今回は、一次側90Vに100Vを接続して、二次側110V端子から122Vを取り出します。
許容電流に対して消費電流が少ないですから、出力電圧は高めに出ると予想して、
122V×1.35倍=165V くらいと仮定しました。
出力段 14mA×2 = 28mA
100KΩのブリーダーとすれば、1.3mA
とすると、回路に流れる総電流は、合計29.3mAです。
出力電圧165Vから、【B電圧】134.3Vを引いて、
回路の総電流29.3mAで割れば電源平滑部の抵抗値が求まります。
(165V-134.3V)/0.0293A = 1048Ω
1048Ω÷4 = 262Ω
よって、電源部の抵抗は、270Ω2W を4個、使用します。
【最大出力】の計算
最大出力については、書籍『情熱の真空管』 P.76に書いてあります。
プレート電圧のピークからピークを取った電圧変化量ΔEpで計算する式で計算しますと、
169V-87V=82V
82V÷2√2=29.0V
29^2÷7000Ω=0.12W
出力は、0.12Wとなります。
ちなみに、E81Lヘッドフォンアンプを、スピーカー出力バージョンに改造したユーザー様からの情報によりますと、JBL4312を事務所で鳴らしていたらしいです。。。(滝汗
JBL4312 は能率91dBです。
あんな重そうなコーン紙のJBLで鳴るんだったら、コーン紙が軽いアルテックなら楽勝で鳴りそうな気がしますが。。。ていうか、設計者はそんなデカいいスピーカーを想定していない(!)ので、ご使用の際は、ほどほどにして下さい。せめて アルテック CF404-8A あたりで勘弁して下さい。。。(涙
。。。。。(大汗
次回は、回路図と出力段を6BQ7パラレルに変更した場合の事について書く予定ですが、場合によってはWE408Aハイブリッド・ヘッドフォンアンプになるかもしれません。
実は、何だかんだ言ってWE408Aが気になって仕方がないです。。。(汗
( なんじゃそりゃ。。。(^_^; )
追伸
WE408Aハイブリッド・ヘッドフォンアンプに使用するパーツなのですけど。
パーツが全て揃っていると思ったのですけど、意外な盲点と言いますか、LEDパイロットランプが手持ちになかったです。。。(汗
私は、通常、AC100Vパイロットランプを使用するので、48V ACアダプター用の直流用LEDパイロットランプがありませんでした。。。
一個100円のLEDパイロットランプの為に、700円くらいの電車賃払って秋葉原に買いに行くのもナンだよなあー。と悩んでいたのですけど、若松の通販って、250g以下は定形外郵便240円。だったのですね。いまさらながら気が付きました。他のショップは宅配便の所が多いようです。
うーむ。
宅配だと受け取らなければいけないので、勝手にポストに投函しておいてくれる定形外郵便は実に有り難い。送料安いしっ!!
という訳で、若松通商から通販しました。
ついでに、63V耐圧の電解コンデンサーも買いました。
19J6ハイブリッド・ヘッドフォンアンプのオリジナル回路は、63V耐圧のコンデンサーを使用しているのですけど、63Vとか中途半端な耐電圧のコンデンサーって、秋月とか千石にないんですよね。。。(汗
秋月とか千石は、みんな耐圧50Vが多いようです。
私個人は、100V、160V、200Vあたりで代用しようと考えていたのですけど、一個105円で63V耐圧があるなら、それでオッケー!
大売出し 63V/820uF 105℃ CE04HQ1J821 Panasonicゴールドマーク
http://www.wakamatsu-net.com/cgibin/biz/pageshousai.cgi?code=21250729&CATE=2125
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