自作ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ・ヘッドフォンアンプの定電流負荷バージョンに Reflector 6P6S を挿してみた。2014/02/04 00:57

先日から、EL3289Yに引き続いて、JAN CRC 6V6GTY などを掲載しているのですけど、前出の真空管はあまり入手性がよろしくありません。

私個人的には低発熱が好きなので、ヒーター電流400mAクラスは作るつもりがないのですけど、このブログご覧の皆様の中には当該アンプに興味を持って出力が大きい方が望ましいと考えられる方もいらっしゃると思うので、もう少し入手性の良い真空管がないだろうか?と悩みました。


それで、ロシア版6V6GTであるところの、リフレクター工場製6P6Sを試してみる事にしました。


ロシアのリフレクター工場製6P6Sは、現行品エレハモ6V6GTの原型です。


Russian Tube 6P6S Reflector 1975
Russian Tube 6P6S Reflector 1975


Russian Tube 6P6S 450mA ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 の実験 バイアス電圧
Russian Tube 6P6S 450mA ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 の実験 バイアス電圧


Russian Tube 6P6S 450mA ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 の実験 ヒーター電圧
Russian Tube 6P6S 450mA ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 の実験 ヒーター電圧


Russian Tube 6P6S (=6V6GT) mu follower (constant current load) hybrid headphone amplifier (Tube Headphone Amplifier) Ver.0.8 testing circuit ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 試作テスト用回路図
Russian Tube 6P6S (=6V6GT) mu follower (constant current load) hybrid headphone amplifier (Tube Headphone Amplifier) Ver.0.8 testing circuit ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 試作テスト用回路図


ロシア製6P6Sは、プレート電圧9Vくらいでもプレート電流が流れてバイアスが出ますね。ていうか、むしろRCA製の JAN CRC 6V6GTY よりもプレート電流が多く流れるのでエミッションが良いのかもしれません。。。(汗


今回使用した球は、1975年のリフレクター工場製なので、現行品のエレハモ6V6GTが同じような結果になるのかは判りません。

私は現行品を持ってないです。すみません。あくまでご参考という事でひとつよろしくお願い致します。。。(汗


このブログをご覧の皆様のお役に立ったなら良いのですけど。。。



自作ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ・ヘッドフォンアンプの定電流負荷バージョンに 6V6GTY を挿してみた。2014/02/02 20:58

前回、回路図を掲載したハイブリッドμ(ミュー)フォロワ・ヘッドフォンアンプのLM317定電流回路を追加したバージョンなのですが。。。

真空管が6.3Vヒーター球だったら便利だよなー。と考えた訳なんですけどプレート電圧がたったの9Vくらい(!)なので、プレート電流が流れてバイアスが出る球がそんなにないみたいですね。。。(汗

いろいろな球を挿してみましたけど、思ったよりもプレート電流が流れてくない!のでちょっと困りました。


前回のEL32、89Yに引き続いてイケそうかな?と思ったのは、“6V6GTY”くらいでしょうか?やっぱ出力管だと内部抵抗が低いのでプレート電流が流れやすいのかな???


JAN CRC 6V6GTY 450mA ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 の実験 バイアス電圧
JAN CRC 6V6GTY 450mA ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 の実験 バイアス電圧


JAN CRC 6V6GTY 450mA ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 の実験 ヒーター電圧
JAN CRC 6V6GTY 450mA ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 の実験 ヒーター電圧


JAN CRC 6V6GTY mu follower (constant current load) hybrid headphone amplifier (Tube Headphone Amplifier) Ver.0.8 testing circuit ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 試作テスト用回路図
JAN CRC 6V6GTY mu follower (constant current load) hybrid headphone amplifier (Tube Headphone Amplifier) Ver.0.8 testing circuit ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 試作テスト用回路図



それにしても、前回の89Yにしろ、今回の6V6GTYにしろ、ヒーター電流が400mAクラスになると放熱器からの発熱(FETドレイン損失)が結構ありますね。

アイドリング電流が大きくなるので、試験用のヒートシンクを大きなモノに交換したのですけど、手で触れないくらいアッチッチになります。

こりゃあ、シャーシに取り付けての“シャーシ放熱”は無理そうなので、外部に専用ヒートシンクを設置する必要があるかも。。。(汗


テツさんは、低発熱が好きですし、外部に専用ヒートシンクを設置するのをあんまり好まない人間ですので、ヒーター電流400mAクラスのアンプは作らないかも、やっぱり。

今後作るとしたら、1626ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+真空管ヒーター負荷か、EL32ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 の2機種あたりになるかもしれません。



とにかく、私個人的には、FETをシャーシに取り付けての“シャーシ放熱”タイプが好みです。(^O^)



自作ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ・ヘッドフォンアンプを定電流負荷にしてみた。2014/01/30 19:52

先日、ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ・ヘッドフォンアンプの回路図を眺めていて、フト、思いついたのですが。。。

秋月24V・ACアダプターに加えて、真空管が6.3Vヒーター球だったら便利だよなー。と考えました。

12.6Vと6.3Vの電位差を、LM317定電流回路で埋め合わせすれば良いのでは?と思いつきました。


LM317と抵抗があれば、たいへんオーソドックスな定電流回路ができます。
LM317と抵抗があれば、たいへんオーソドックスな定電流回路ができます。

1.25V÷抵抗値=定電流値 なので、

200mA → 6.2Ω
300mA → 4.3Ω
400mA → 3Ω 

みたいな感じでしょうか?


手持ちのパーツを漁ったら JRC LM317 を発見しましたし、手元にある抵抗で3Ω6.1Ωは準備できそうですので、200mA400mAヒーター球は実験できそうです。


とりあえず、EL3289Yを持ち出してきて、早速、実験してみる事にしました。


Mullard EL32 200mA ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 の実験
Mullard EL32 200mA ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 の実験


89Y 400mA ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 の実験
89Y 400mA ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 の実験


EL32-IRLI520N mu follower (constant current load) hybrid headphone amplifier Ver.08 testing circuit ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 試作テスト用回路図
EL32-IRLI520N mu follower (constant current load) hybrid headphone amplifier Ver.08 testing circuit ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 試作テスト用回路図


89Y-IRLI520N mu follower (constant current load) hybrid headphone amplifier Ver.08 testing circuit ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 試作テスト用回路図
89Y-IRLI520N mu follower (constant current load) hybrid headphone amplifier Ver.08 testing circuit ハイブリッドμ(ミュー)フォロワ+定電流負荷 試作テスト用回路図



それぞれの回路でプレート電流が流れてバイアスが出ますし、LM317定電流回路も動作しているようですので、ブレッドボード上に組んだ直流回路はオッケーそうですね。


あとは、実際にアンプを組んでみて、交流回路(音声回路)がうまく動作するか確認すればよいと思います。(^O^)


今回、真空管ヒーターと並列にバイパスコンデンサーを設置してみました。

元々はLM317の安定動作&ノイズ除去用なんですけど、この部分にコンデンサーを入れると交流をアースに落としてしまう事になるので、自動的かつ結果的に、音声信号をヒーターからバイパスさせるようになってしまう!のですけど。。。うーん。。。これでいいのだろうか???


( おい。。。(^_^; )


その辺も含めて、実機で検証する必要がある!と思います。。。(汗



自作1626真空管ハイブリッドヘッドフォンアンプの回路を、ハイブリッドμ(ミュー)フォロワに変更してみた。2014/01/25 15:05

昨日、ブログに掲載した回路図なのですが。。。


1626/12V6GT/12A6GT IRLI520N hybrid Headphone Amplifier (Tube Headphone Amplifier) 各部の電圧値(実測)
1626/12V6GT/12A6GT IRLI520N hybrid Headphone Amplifier (Tube Headphone Amplifier) 各部の電圧値(実測)


上掲載回路図を眺めていたら、1626のプレート電圧ソース電圧(ヒーター電圧)が、ほとんど等しい事に気がつきました。

これって、もしかしてハイブリッドμフォロワの回路が成立するのでは?



1626ハイブリッドヘッドフォンアンプのプレート電圧とソース電圧(ヒーター電圧)が、ほとんど等しいのでハイブリッドμフォロワの回路が成立するかもしれません。
1626ハイブリッドヘッドフォンアンプのプレート電圧とソース電圧(ヒーター電圧)が、ほとんど等しいのでハイブリッドμフォロワの回路が成立するかもしれません。


そんな訳で、ちょろっと試作テスト用の回路図を書いてみました。


1626-IRLI520N hybrid mu follower Headphone Amplifier Ver.08 Testing Circuit 1626ハイブリッドμフォロワ 試作テスト用回路図
1626-IRLI520N hybrid mu follower Headphone Amplifier Ver.08 Testing Circuit
1626ハイブリッドμフォロワ 試作テスト用回路図


2種類の回路図をじっくり比べて見ると判りますけど、ただ単に、1626の上にFETソースフォロワを積み重ねただけ!なんですが。。。(汗

要するに、1626の負荷抵抗10KΩを、FETソースフォロワ(=定電流負荷)に置き換えμに近いところまで利得を上げた回路です。

低電圧で負荷が10KΩですと、ロードライン上の振幅が取れなくて大変キツイのですけど、定電流負荷(=無限大)だとロードラインが水平近くに寝た状態になるので、とても好都合です。(^O^)

カットオフ近傍の二次歪みが少なくなりそうですよねー。


実を申しますと、ハイブリッドμフォロワ・ヘッドフォンアンプは過去に製作した事がありまして、まさかその時のノウハウが役に立つ時が来ようとは思ってもみなかったです。。。(汗


ていうか、その当時、ハイブリッドμフォロワ用のソース抵抗をいろいろ購入してしまいまして、今までぜんぜん使い所がなくて無駄になっちゃったかな?とガックリ来ていたのです。

いやもう、スタックポールとか購入しちゃってどうしようとか思ってました。実は!


以前、ハイブリッドμフォロワ用のソース抵抗をいろいろ購入してしまいました。
以前、ハイブリッドμフォロワ用のソース抵抗をいろいろ購入してしまいました。


ここにきてまさかのハイブリッドμフォロワ再登場!で、せっかく購入した抵抗が無駄にならずに済みそうです。(^O^)


( なんじゃそりゃ。。。(^_^; )




追伸

早速、1626ハイブリッドμフォロワ・ヘッドフォンアンプのシャーシでも加工しようかな?と考えつつ、フト、郵便受けを見てみたら文庫本が届いていました。

三上延著 ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~
ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)
http://www.amazon.co.jp/dp/4048662260


すご~く楽しみにしていたので、今晩はコレ読まなくちゃ。(^O^)


( おい。。。(^_^; )



水魚堂の回路図エディタとライブラリについて2012/06/29 00:03

最近、ブログに回路図を掲載していますが、回路図を作成するエディタライブラリについて書きたいと思います。


回路図の作成には、定番の水魚堂の回路図エディタを使用しています。

また、真空管アンプ部品のライブラリについては、
ジオ・シャック様のパーツライブラリを、最近は使用しております。

ラジオ・シャック様のライブラリは、ST管、GT管、MT管と真空管の種類が豊富ですし、トランス類のパターンも沢山あるので、かなり重宝しております。

水魚堂様とラジオ・シャック様には、この場を借りて一言お礼を。。。
ありがとうございます。(^O^)


水魚堂の回路図エディタ
http://www.suigyodo.com/online/schsoft.htm

ラジオ・シャック様が公開しているパーツライブラリ
http://www4.tokai.or.jp/radioshack/about_drawings.html



それで、水魚堂の回路図エディタジオ・シャック様のパーツライブラリを使用して回路図を作成すると、以下(↓)のような感じになります。


E90CC hybrid mu follower Headphone Amplifier Ver09a (Tube Headphone Amplifier)
E90CC hybrid mu follower Headphone Amplifier Ver09a (Tube Headphone Amplifier)

FETハイブリットE90CCパラ・ヘッドフォンアンプ
E90CC hybrid mu follower Headphone Amplifier Ver09a (Tube Headphone Amplifier)

おおよそ、DVDトールケース2枚分です。
E90CC hybrid mu follower Headphone Amplifier Ver09a (Tube Headphone Amplifier)



E90CCハイブリッドヘッドフォンアンプの回路図ですけど、E90CCのライブラリは、6J6のデータで代用しました。
ラジオ・シャック様のライブラリには、6J6のような共通カソード球みたいなマイナー球のデータがあるので大変有り難いです。(^O^)




WE408Aハイブリッドヘッドフォンアンプ(7)2012/06/23 17:42

WE408Aハイブリッドヘッドフォンアンプのハンダ付けを進めているのですけど、進捗状況はおもわしくありません。。。(汗

回路規模はYAHAみたいなモノかな?と、思い、シャーシをタカチMXA3-11-11Sにしたのですけど、ちょっと小さすぎました!


想定していた部品が入りません!!


はじめて作るアンプですので、余裕をみてタカチMXA3-11-16Sあたりにしておけば良かったと、後悔しているテツさんでありました。


もっとも、使用する部品が、そもそもデカい(!)のですけど。。。(汗


なんとか組めそうかな?と思われるパーツを物色したので、この週末にでも完成させたいと思います。



Russian Military PIO CAPACITOR K42y-2 WELWYN ENGLAND wirewound resistor ELNA RFO PURECAP
Russian Military PIO CAPACITOR K42y-2 WELWYN ENGLAND wirewound resistor ELNA RFO PURECAP



実は、ラジオ技術誌の翻訳を担当した方からコメントを頂いてしまっ
て、アセりまくっています。。。(滝汗

とりあえず、場を繋ぐために、先行して回路図を公開致します。

本来なら、アンプ完成させて音出して、問題ないのを確認してから回路図を公開するのですけど、フライングで先に出します。
結局、このアンプが不本意な結果になっても、どうかお許し下さい。

モノ作りはいつも成功するとは限らず、残念な結果になることも多々あります。

まあ、個人のブログですから、失敗も含めて、まさに今、製作しているというライブ感(!)があって、良いのでは?と。。。(汗

私は、ブログ(日記)を書いているのであって学術論文を書いてる訳ではありませんし、モノ作りって、やっぱり情熱というか勢いというかコダワリというかアツさだと、個人的には思います。




なお、FET固定バイアス周辺の回路(FET fixed bias)は、オリジナル回路と異なり、hybrid mu followerを参考にしています。


WE408A hybrid Headphone Amplifier Ver09a
WE408A hybrid Headphone Amplifier Ver09a

E182CC  hybrid Mu Follower Headphone Amplifier Ver09a
E182CC  hybrid mu follower Headphone Amplifier Ver09a

http://valvolerosso.asablo.jp/blog/cat/mu-follower/


ゲート抵抗(Rg=680KΩ)が追加されていますので、低域側ポール(ローカットフィルター)の時定数は、0.68MΩ×0.047μF=0.032くらいになります。

あと、ツェナーダイオードは必要ないかもしれませんが、いちおう入れてあります。


また、2Vrms出力ソース機器を接続した場合は、ゲインがあり過ぎてボリュームがまったく効かなくなってしまうので、ゲインを落とす為にP-G帰還を掛けています。NFBの定数も、hybrid mu follower Headphone Amplifier と同一の設計にしています。

携帯プレーヤーをソース機器とする場合は、オリジナル回路と同様に、NFBを掛けない方が良いのかもしれません。。。(汗




おまけ

19AQ5の場合はどうなるか、ちょっと確認してみました。

なお、19AQ5バージョンの場合は、アイドリング電流が3倍(!)になりますので、FETドレン損失も3倍となります。
オリジナル回路と同様に、FETは必ずヒートシンクに取り付けなければなりません。


19AQ5 Triode Connection
19AQ5 Triode Connection

19AQ5の三結特性は、6AQ5で代用しました。特性図はこちら。
http://www.mif.pg.gda.pl/homepages/frank/sheets/093/6/6AQ5.pdf


三結特性図で検討したところ、19AQ5のプレート電流は1mAくらいのようです。

 
19AQ5プレート電流測定 (カソード抵抗値の確認)
19AQ5プレート電流測定 (カソード抵抗値の確認)

カソード抵抗の値を1.5KΩとして、実際にバイアス電圧を実測してみたところ、バイアス電圧は1.5Vが出ました。

球自体のバラツキがあるかと思いますけど、おおむね1mA位のようです。


19AQ5ヒーター電流測定
19AQ5ヒーター電流測定

ヒーター電流は、おおよそ142mA(141.9mA)くらい流れるようです。

回路図も作成してみました。


19AQ5 hybrid Headphone Amplifier Ver09a
19AQ5 hybrid Headphone Amplifier Ver09a

19AQ5バージョンの場合は、ほぼオリジナル回路に近いと思います。


ハイブリッド・ヘッドフォンアンプのアイデアが素晴らしい2012/05/14 17:45

個人的に、真空管1626が好きなので、ラジオ技術6月号をアマゾンで購入しました。

ラジオ技術 2012年6月号

ラジオ技術 2012年6月号
http://www.amazon.co.jp/dp/B007X582M8

今月のラジオ技術には、長島氏設計の6AQ7-1626シングルが掲載されています。


長島氏設計 6AQ7-1626シングル
長島氏設計の6AQ7-1626シングル

春日無線の限定版EL32キットと同じシャーシを採用した1626シングル真空管アンプです。


オリジナル管球式パワー・アンプ用シャーシ  280型
http://www.e-kasuga.net/goods.asp?id=1114


私個人的に1626が好きなのでいろいろアンプを製作しましたけど、1626はバイアスが深いので、初段とNFBに大変悩みます。。。(汗

ですから、今回の長島氏の作例を大いに参考させて頂こうかと思い、今月のラジオ技術を購入した訳です。。。(汗


それで、ふむふむ、なるほどー。と、ラジオ技術を読みふけっていたのですけど、フト、目次を見たら、ハイブリッド・ヘッドフォンアンプの記事があるのを発見しました。

それで、なにげに記事を読んでみたら。。。

ガーン。

すげー。

19J6ハイブリッド・ヘッドフォンアンプのアイデアが素晴らしい!!


19J6ハイブリッド・ヘッドフォンアンプのアイデアが素晴らしい!!
19J6ハイブリッド・ヘッドフォンアンプ

真空管のヒーターを、FETソース・フォロワの負荷抵抗にするアイデアが凄い!!

まさに、目からウロコ状態っ!!!


いやはや、ビックリ!

世の中には、とてつもないアイデアを考えつく人がいるもんだと、たいへん感心しました。(^O^)


けど。。。


実際に、このアンプを製作するかは、ビミョー。
だって、たぶん音的には、FETハイブリッドμフォロワと同じだと思う。
http://valvolerosso.asablo.jp/blog/cat/mu-follower/

初段が真空管で出力がFETソースフォロワなら、そりゃあ音は同じだなと。

しかも、FETハイブリッドμフォロワ・ヘッドフォンアンプは、フィリップスSQを使用しているので、そんじょそこらのハイブリッド・ヘッドフォンアンプには負けないと思う。

まあ、フィリップスSQ/PQ球を使用するのは、反則ワザ(!)という説もありますが。。。(大汗


実を言いますと。。。

私自身、ハイブリットμフォロワ・ヘッドフォンアンプを製作した経験から感想を述べさせて頂くと、出力部分を、FETソース・フォロワにすると、もの凄くセンシティブな感じになっちゃって、前段の真空管の雑音が、かなりよく聞こえちゃうんですよね。。。(汗


一般的な球を無作為に投入すると、ヒーターが暖まるまで、チンチン、カンカン、マイクロフォニック・ノイズの嵐ですし、ヒーターが暖まってからは、ガリガリ、ザッザッとかその球固有の雑音が聞こえたりします。。。(汗

つまり、フィリップスSQ/PQ球を使用するのは、伊達や酔狂で採用した訳でなくて、それくらいの高クオリティ球にしないと、ヘッドフォンアンプとしての性能が出ない(!)という悲しい事情が、実はあったりします。

出力トランス方式では雑音なくてまったく問題ない球が、FETソース・フォロワにすると、なぜだか雑音がよく聞こえてしまう(!)という悲しい現実。。。(涙

いやまあ、あくまで私個人の経験なんですけど。。。


。。。。。


最近は、中国製の安価なハイブリッド・ヘッドフォンアンプが、たくさん発売されていますけど、マイクロフォニックノイズが出まくりで、真空管アンプを設計する人間からすれば、『 なんでこんなに雑音出るアンプが製品化されてるんだろ??? 』と、不思議に思うくらいのレベルの製品もあるんじゃないかな???と、個人的に邪推してたりします。


ですから、19J6ハイブリッド・ヘッドフォンアンプの真空管のヒーターを、FETソース・フォロワの負荷抵抗にするアイデアが凄いんですけど、19J6のヒーター規格(ヒーター電圧=19V)を利用してアンプを設計しているので、もしマイクロフォニック・ノイズが出たら、簡単に他品種の球に交換!という訳にいかないので、雑音出たらどうするだろ???と、フト、思ったテツさんでありました。

余計なお世話なんですけど、ハイブリットμフォロワHPAで、かなり泣かされたので、ちょっと心配になりました。。。(汗


( なんじゃそりゃ。。。(^_^; )



FETハイブリッドμフォロワ・ヘッドフォンアンプ(9)2012/02/03 15:29

E182CCハイブリッドμフォロワ・ヘッドフォンアンプのエージングが終了したので、真空管ヘッドフォンアンプ各機種と聴き比べてみました。

ヘッドフォンアンプ各機種と聴き比べ

ヘッドフォンアンプ各機種と聴き比べ

時間がなくて、じっくりと聴き比べできなかったですけど、三者三様で面白いです。(^O^)

ハイブリッドμフォロワは、出力トランスを使用してないのでスッキリした感じの音です。
トランジスタやオペアンプの音に近いので、ポタアン等の半導体アンプを使用している人には良いかもしれません。
私個人は、出力トランスの音が好きなんですけど。。。(汗
(ていうか、OUT41-357の中・高音の音が好き。なのですが。。。)


ちなみに、supercell 君の知らない物語 とか聴いてたり。。。


supercell 君の知らない物語

まあ、真空管ヘッドフォンアンプは、ジャズの方が合うような気がするので、普段、私はスウェディッシュ・ジャズのラスマス・フェイバーで、アンプ製作の音決めしていますけど。。。(汗

ラスマス・フェイバー プラチナジャズ


6DJ8カソフォロアンプ、E81Lアンプと比較しても遜色なさそうな感じ(?)なので、E182CCハイブリッドμフォロワ・ヘッドフォンアンプを春日無線に持っていきました。


春日無線の店頭での試聴風景


そのままアンプを置いてきたので、春日無線の店頭で試聴できます。

店頭で試聴できます!って、ブログに書いても良いですか?と聞いて許可を頂いたので、ハイブリッドμフォロワの音に興味がある方は、実際にご自分の耳で試聴する事をオススメします。
設計者が自分で記事を書くと、手前ミソかもしれませんし。。。(汗

春日無線の店頭で、6DJ8カソフォロアンプ、E81Lアンプと比較試聴した方がよろしいかと思います。


。。。。。


それで前フリが長くなりましたけど、実は本題はここから始まります。



春日無線の店頭で、ハイブリッドμフォロワ・ヘッドフォンアンプを試聴しながら雑談していて、
『 出力トランスの音が好きだから、アウトプット部分にクラーフ結合みたいな感じで出力トランスを追加したいなー 』
みたいな事を、なにげにポロッと言ったところ。。。

『 絶好のトランスあるよ 』
『 えっ? 』
『 ラップジョイント・コアのKA-7520 』
『 ええっ!? 』
『 ギャップないから直流まったく流せないけど 』

今月発売のラジオ技術に掲載予定の記事中で、島氏が使用したトランスらしいです。。。(汗


ラップジョイント・コアKA-5720R量産試作品


一次インダクタンスが、25Hもあります!
型番末尾の『R』は、ラップジョイントのRです。


OUT41-357の中・高音の音が好きな私としましては、一次インダクタンスが増えて低音の量感がアップすれば、もう最強トランスなのでは!?
とか思いましたので、とりあえず試作品を購入させていただきました。


ブログに書いて良いの?と聞いたらオッケーでしたので、量産品の手配はもう既に完了している様子でした。
今月15日のラジオ技術の発売に合わせて発売されると思います。


そんな訳で、ハイブリッドμフォロワ・ヘッドフォンアンプに出力トランスを追加しようと思ったのですけど、秋葉原からの帰りの電車の中でハタと気がつきました。

出力トランス追加すると、アンプ内の時定数回路が3つになってしまうのでダメじゃん!


真空管アンプを設計する際の大事なお約束(?)として、
『 アンプ内の時定数回路は2箇所以下。 』
という大原則があります。


6SN7-6SN7-2A3シングル等のアンプで、初段6SN7とドライバー6SN7の段間が直結になっているのは、アンプ内の時定数回路を2個以下にする為です。
出力トランスも時定数回路として勘定するので、通常カップリングは一箇所しか使用できません。なお、カソードのパスコンとデカップリングは勘定には入りません。


ハイブリッドμフォロワ・ヘッドフォンアンプは、時定数回路がもう既に2個なので、出力トランスを追加できません。。。(汗

出力トランスを使用するには、FETソース抵抗の代わりにトランスを挿入する事になる(?)と思うので、つまりはトランス一次側に直流電流を流さないと実現できないような気がします。


アンプ内の時定数回路


要するに、クラーフ結合のような回路はそれだけで時定数回路が2個あるので、べるけ氏ミニワッターのようなロフチンホワイトか、あるいはE81L単段ヘッドフォンアンプでしか追加できない気がします。



今度、長島氏が発表する回路は分からないのですけど、現時点では、やっぱり、べるけ氏ミニワッターのロフチンホワイトとKA-7520Rを組み合わせるのがベストなのでしょうか?

あと単段アンプですと、ソフトン6DJ8ヘッドフォンアンプがそうですね。
負荷がチョークコイルではなく電流回路になってますけど。。。(汗
http://www.icl.co.jp/audio/Model6/M6-2.htm
http://home.q08.itscom.net/ryo-tai/hphone1.htm



うーん。


ハイブリッドμフォロワ回路はあきらめて、E81Lヘッドフォンアンプと
KA-7520Rを組み合わせる
事を検討した方が良いのかな?と、考えつつも、技に掲載されるという長島氏の記事をすごく楽しみにしているテツさんでありました。

ていうか、ぶっちゃけ、かなり参考にさせてもらおうと思っています。。。(汗


( なんじゃそりゃ。。。(^_^; )



FETハイブリッドμフォロワ・ヘッドフォンアンプ(8)2012/01/27 20:49

数日間エージングしたので、試作初号機の各部の電圧値を測定しました。



E182CCハイブリッドμフォロワHPA 実測電圧値


電源トランスの出力電圧を、×1.35倍として設計しましたけど、実測値は
151.2Vなので、×1.37倍くらい出ています。
許容電流に対して、回路全体の消費電流が少ないので高めに出るとは思っていたのですけど。。。(汗

まあ要するに、許容電流に対してまだぜんぜん余裕があるので、アイドリング電流を増やして出力をアップさせるのは可能な訳です。

けど、ヘッドフォンで実際に聴いた感じですと目標出力0.02Wで大丈夫そうなので、ドレン損失とプレート損失を抑えめに設定した今回の設計で、とりあえず良し!とします。。。(汗



あと、E182CC5687は、ピンアサインが同一なので、試しに挿してみる事にしました。


E182CCと5687

ただ、5687は小さいのにヒーター0.9Aもあって、チンチンに熱くなるのであんまり気が進まなかったり。。。


とりあえず、バイアス(=プレート電流)を測定してみました。


5687のバイアス(=プレート電流)を測定
5687カソード電圧(=バイアス電圧)を測定しています。
実測値は、1.973Vでした。
カソード抵抗の実測値は、91Ωでしたので、プレート電流は、
1.973V÷91Ω=21.7mAです。
ドレン電圧の実測値は135.9でした。

球のバラツキはあるかもしれませんが、私の手持ち球ですと十分差し替え可能なようです。



5687の音はTIC-4のように骨太の音がして良いです。(^O^)

けど、私個人的には、やっぱりE182CCの音の方が好きです。


E182CCハイブリットμフォロワ・ヘッドフォンアンプは、春日無線KA-10SH/6DJ8カソフォロとか、KA-20SH/E81Lヘッドフォンアンプと比較できるくらいのクオリティがありますけど、いかんせんAmperexE182CCは高価な球ですので、んー。こりゃあ、ちょっと、E182CCを採用したのは反則だったかな?と、作った本人でさえ思ったり思わなかったり。。。(滝汗


ただでさえ、プレート電流20mA以上流してgmが高くて内部抵抗が低い領域で真空管をドライブしている上に、FETソースフォロワは出力インピーダンスがたったの2Ω(!)※ですし、P-G帰還といっても実質的にはオーバーオールみたいな感じ(?)でNFBを掛けているので、なんかヘッドフォンアンプとして凄い可能性があるように思うので、細部を詰めればとてつもないヘッドフォンアンプができそうな気がします。


私には、それほどの設計のウデはありませんが。。。(大汗



( なんじゃそりゃ。。。(^_^; )


※注

FETソースフォロワの出力インピーダンスは、1/gm[単位S:ジーメンス]なので、gm=0.5S[ジーメンス]の STD1LNK60Z-1 を使用したソースフォロワの出力インピーダンスは、

1÷0.5
=2Ω

です。

FETハイブリッドμフォロワ・ヘッドフォンアンプ(7)2012/01/21 18:48

引き続き、FETハイブリッドμフォロワE90CCヘッドフォンアンプ零号機です。

便宜上、これからは零号機(改)と呼びます。  ( おい。。。(^_^; ) 


ハンダ付けが終了したので、各部の電圧を測定しました。

ハイブリッドμフォロワE90CC零号機(改) 各部の電圧測定
E90CCパラレルカソード電圧(=バイアス電圧)を測定しています。
設計値は2Vでしたけど、実測値は、2.036Vでした。
カソード抵抗の実測値は、91Ωでしたので、プレート電流は、
2.036V÷91Ω=22.4mAです。
ドレン電圧の設計値は151.8Vでしたけど、実測値は156.3でした。

本当は、電源部の抵抗は470Ω10Wを2個とか入れるべきなのかもしれませんが、手持ちの関係で390Ω5Wを2個入れているので電圧降下が少なく、ドレン電圧が高めに出ています。


ご参考までに、回路図を掲載します。


ハイブリッドμフォロワE90CC零号機(改) 回路図

目ざとい方は前回の内部写真で気が付いているかもしれませんが、FETがTO-92パッケージ品種になっています。


実は、ただ改修するだけでは芸がないかと思ったので(!)、零号機(改)は、FETの品種を変更しています。


真空管がフィリップスSQなので、FETもフィリップス製(!)にしました。

フィリップス BSN304A データシート

フィリップス BSN304A です。

フィリップス BSN304A 外観

C(iss)=57pFですけど、データシートによっては100pFという記載もあります。

データシートはこちら。
http://www.datasheetcatalog.org/datasheet/philips/BSN304A.pdf


まあ、BSN304A 10個の値段で、STD1LNK60Z-1 が30個(!)買えてしまいますし、FETのソースフォロワでは品種を変えても音は変わらないと思うので、私個人的にはあまりオススメしません。。。(汗

STD1LNK60Z-1 の方が、耐圧&ドレン損失&許容電流も大きく、いろいろ流用できるうえに安価なので、STD1LNK60Z-1の方が良いと思います。


ただ、真空管がフィリップスなのでそれに合わせただけ(!)です。。。(汗


フィリップス E90CC


極めて個人的な、精神衛生上の問題です!!

( なんじゃそりゃ。。。(^_^; )




いやまあ、それよりももっと重要な事が、実はありまして。。。(汗


上掲載の回路図において、アウトプットの抵抗が2KΩになっていますけど、この部分は、1~2KΩくらいの小さな値にした方が良いです。


電源投入から数分間、アウトプット・カップリング電解コンデンサーの『洩れ電流』が数mAあるようです。
ヘッドフォンを接続して電源を入れると、洩れ電流はヘッドフォンを経由してアースに落ちますので問題ありません。


しかしながら、ヘッドフォンを接続しないで電源を入れると、洩れ電流はP-G帰還抵抗を経由して真空管のグリッドに流れ込み、ヒーターウォームアップから数分間、真空管のバイアスが掛からない状態になってしまいます。
幸い上段のFETの電流制限作用で、プレート電流35mA程度で済むようです。この程度でしたらドレン損失とプレート損失を超えません。


電源投入から5分くらいしますと、電解コンデンサーの洩れ電流が微少になり、バイアスが適正に掛かるようになりますので、35mA流れていたプレート電流はやがて設計値の22mA付近に落ち着きます。



けど、それだとちょっと気持ちが悪いので、P-G帰還抵抗の合計値(100K+22K=122KΩ)よりも、
アウトプットの抵抗値を圧倒的に小さい値(2KΩ)にして洩れ電流がそちらに流れるようにします。

上記のとおり、100KΩ→2KΩに変更してみたところ洩れ電流はP-G帰還の方には流れなくなり、ヘッドフォンを接続しない状態でも適正にバイアスが掛かるようになりました。


そういう訳ですので、回路図を修正しましたのでご参照ください。


現在、零号機(改)はエージングしながら経過観察中です。。。(汗


ハイブリッドμフォロワE90CC零号機(改) 現在エージング中


ちなみに、E182CC初号機アウトプット抵抗を同じく2KΩに変更しました。。。(汗


E182CC初号機アウトプット抵抗を2KΩに変更


何と言いますか、作例がない回路でアンプを製作すると、各部の抵抗値をどんな値にすれば良いかぜんぜん判らない(!)ので、いろいろ問題があったりしますので、検討&手直し作業しなければなりません。


とりあえず、この週末は零号機(改)の様子見です。。。(汗