1/8 暁美ほむら を真空管アンプに載せてみた。2012/04/01 15:06

12AX7(6N2PEV)-38シングル真空管アンプが完成しましたので、グッドスマイルカンパニー 1/8 暁美ほむら を載せて撮影しています。


グッドスマイルカンパニー 1/8 暁美ほむら を真空管アンプに載せます。



いろいろな角度から撮影して、どの方向からのカットが良いか、あれやこれや試行錯誤しています。。。(汗



6N2PEV-38シングル真空管アンプ (ヘッドフォン/スピーカー両用)
グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 1/8 暁美ほむら
グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 1/8 暁美ほむら

グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 1/8 暁美ほむら
グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 1/8 暁美ほむら


真空管アンプの向きを変えて撮影してみたり。。。(汗


6N2PEV-38シングル真空管アンプ (ヘッドフォン/スピーカー両用)
グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 1/8 暁美ほむら
グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 1/8 暁美ほむら

1/8 暁美ほむら 水彩画風
1/8 暁美ほむら FotoSketcher Ver.2.10 を使用して、水彩画風に加工



もう少しアップで撮影してみます。。。(汗


6N2PEV-38シングル真空管アンプ (ヘッドフォン/スピーカー両用)
グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 1/8 暁美ほむら
グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 1/8 暁美ほむら

1/8 暁美ほむら 水彩画風
1/8 暁美ほむら FotoSketcher Ver.2.10 を使用して、水彩画風に加工


別な角度から寄って撮ります。。。(汗



6N2PEV-38シングル真空管アンプ (ヘッドフォン/スピーカー両用)
グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 1/8 暁美ほむら
グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 1/8 暁美ほむら

1/8 暁美ほむら モノクロ写真風
1/8 暁美ほむら フォトショップを使用して、温黒調モノクロ写真風に加工

1/8 暁美ほむら 鉛筆スケッチ画風
1/8 暁美ほむら FotoSketcher Ver.2.10 を使用して、鉛筆スケッチ画風に加工



。。。。。


やっと念願のほむほむの写真が撮影できました。。。(汗

それにしても、黒ストッキングの脚のラインがとても綺麗な造形なので、撮影しながら、原型師さんの匠のワザにしきりと感心してしまいました。。。

思う存分撮影して、なんかスゴク満ち足りた気分になった。(^O^)


( なんじゃそりゃ。。。(^_^; )



12AX7-38シングル真空管アンプ(4)2012/03/31 23:50

やっとのことで、12AX7(6N2PEV)-38シングル真空管アンプのハンダ付けが終了しました。。。(汗

それで、ハンダ付けの様子を簡単にご紹介致します。



(1)外装のパーツを組立した状態から、ハンダ付けがスタートします。
シャーシ内には、出力トランス、真空管ソケット、ラグ版などが取り付けてあります。
6N2PEV-38シングル真空管アンプ シャーシ内部
UY(5ピン)ソケットは、タイト金メッキです。
出力トランスは、春日無線OUT41-357を使用します。


(2)AC100Vライン、フューズ/スパークキラー類、ダイオードのブリッジ、電源平滑回路、ヒーター配線を、まず初めにハンダ付けしていきます。
ダイオードは、UF4007 ウルトラファーストリカバリーです。
電源平滑回路、ヒーター配線のハンダ付け
アンプの総電流の計測は、電源部抵抗の電圧から求めるので、あらかじめ抵抗値を実測して、ちょろっとシャーシに書いておきます。
抵抗の両端の電圧を計測して199.2Ωで割れば、全回路に流れる総電流値が求まります。


(3)コンデンサー、B電圧ライン、デカップリング抵抗、ブリーダー抵抗、アースラインをハンダ付けします。
コンデンサー、アースラインをハンダ付けします。


(4)プレート回路、スクリーン回路、カソード帰還回路のコードをハンダ付けします。
プレート回路をハンダ付け中。。。
設計は三極管接続(三結)で行いますが、私個人はいつも、実体配線のハンダ付けの時に、ちょろっと三結に近いUL接続にしてしまいます。すみません。。。(汗


(5)初段の負荷抵抗100KΩは、かな~り個人的な趣味(!)ですけど、英国WELWYNのカーボン・フィルムA3を使用します。。。(汗
英国WELWYNのカーボン・フィルムA3


(6)初段の独立電源コンデンサー、初段負荷抵抗、カソード抵抗、グリッド抵抗をハンダ付けしています。
初段まわりのハンダ付け作業。
初段周辺はスペースがないので、作業がキビシイです。
今回、ハンダ付けが、イチバン辛かった部分(!)でした。。。(汗


(7)カップリングは、ロシアンミリタリー K42y-2 500V 0.047uF です。
ロシアンミリタリー K42y-2 500V 0.047uF


(8)ロシア製のオイル・ペーパーコンデンサーをハンダ付けします。
ロシア製のオイルコンをハンダ付けします。


(9)デールRS-2B巻線抵抗1.5KΩに、RN60の10KΩを並列接続して1.3KΩにした、出力段38のカソード抵抗、パスコン、グリッド抵抗をハンダ付けしていきます。
カソード抵抗、パスコン、グリッド抵抗をハンダ付け


(10)出力トランス二次側のハンダ付けをします。
出力トランス二次側のハンダ付け
スイッチ付き標準ヘッドフォンジャックを利用して、出力トランス二次側の出力を切り替えます。
スピーカー8Ωと、ダミーロード8Ωをスイッチで切り替えます。


(11)入力ラインと、スピーカー出力用の配線をハンダ付けして完成です!
ハンダ付けが完了しましたっ!


(12)早速、真空管38と6N2P-EVを挿してみます。
真空管38と6N2P-EV


(13)出来上がったアンプを通電して、動作確認を行います。
B電圧と出力段バイアスの計測作業

出力段38のカソード電圧(=バイアス電圧)を測定しています。
設計値は22Vでしたけど、実測値は21.56Vでした。
カソード抵抗の実測値は、1.298KΩでしたので、プレート電流は、
21.56V÷1.298KΩ=16.6mAです。

なお、B電圧は、設計値の227.6Vに対して、実測値は223Vでした。



。。。。。



いちおう完成しましたので、次回はフィギュアを載せて撮影する予定です。


グッドスマイルカンパニー 1/8 暁美ほむら を載せて撮影するのが、すご~く楽しみです。(^O^)


(次回につづく)


グッドスマイルカンパニー 1/8 暁美ほむら がきました。2012/03/22 14:32

12AX7(6N2PEV)-38シングル真空管アンプの外装組立が終了したので、内部配線のハンダ付けの準備をしています。


6N2PEV-38アンプのシャーシ内の様子(↓)。
6N2PEV-38シングル真空管アンプ シャーシ内部


使用するパーツ類を、簡単にご紹介致します。

まずは、抵抗類から。。。


12AX7(6N2PEV)-38シングル真空管アンプ 使用する抵抗類

ダイオードは、ウルトラファーストリカバリーUF4007
グリッド抵抗、初段カソード抵抗、発信止抵抗は、デールRN60
ヘッドフォン出力部の減衰/分圧抵抗も、デールRN60です。
ヘッドフォン出力部のダミーロード8.2Ωは、松下製酸金1W。
電源部、デカップリング抵抗は、タクマン酸金
ブリーダーはリケンの金皮(100KΩを超える抵抗がタクマンにはない為)

初段負荷100KΩは、英国WELWYNのカーボン・フィルムA3
出力段カソード抵抗は、デールRS-2B巻線抵抗1.5KΩに、RN60の10KΩを並列接続して、1.3KΩにします。



次は、コンデンサー類です。


12AX7(6N2PEV)-38シングル真空管アンプ 使用するコンデンサー類

電源の電解コンデンサーは、かなり以前に秋月で購入した特価品の日ケミKMR 400V 180μF
コンデンサインプット1段目とデカップリングは、KMG 350V 33μF
パスコンは、かなり個人的な好みで、エルナーRFOピュアキャップ
100Vスパークキラーは、岡谷S1201
ポリプロピレン・フィルムとAC250Vスパークキラーは日通工
カップリングは、ロシアンミリタリー K42y-2 500V 0.047μF




。。。みたいな感じで、使用するパーツを物色してハンダ付けの準備をしていたら、アマゾンからグッドスマイルカンパニー1/8 暁美ほむらがきました。。。(汗



魔法少女まどか☆マギカ 暁美ほむら (1/8スケール PVC塗装済み完成品)
http://www.amazon.co.jp/dp/B005PM328U

グッドスマイルカンパニー ミカタンブログ 暁美ほむら (1/8スケール)
http://ameblo.jp/gsc-mikatan/entry-11026266723.html



早速、開封して現物の出来具合をチェック(!)します。
 (おい)


グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 暁美ほむら がきました。。。(汗


おおーっ!
スゴイです。
サンプル写真(デコマス)と、ほぼ同じ出来です。(^O^)


グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 暁美ほむら 実物チェック!
グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 1/8 暁美ほむら 実物チェック!

グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 暁美ほむら 実物チェック!
グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 1/8 暁美ほむら 実物チェックっ!!


ほむほむのお美しいお顔を拝見させて頂きましたっ!

さすが、グッスマさん、良い仕事します!!(^O^)


いやもうなんか、俄然ハンダ付けする気が沸いてきたっ!

頑張ってハンダ付けして、12AX7(6N2PEV)-38シングル真空管アンプの上に載せて、写真撮るぞーっ!!と、新たに決意するテツさんでありました。。。(汗


( なんじゃそりゃ。。。(^_^; )









追伸

その後、自分で書いたブログを読んでみて驚愕したのですが。。。

ごく当たり前のように自然に、英国WELWYNのカーボン・フィルム抵抗、デールRS-2B巻線抵抗、エルナーRFOピュアキャップ、ロシアンミリタリー K42y-2コンデンサー等と、グッドスマイルカンパニー暁美ほむら(!)を、まったく同一に違和感なく紹介している自分(!)を発見して、いまさらながらビックリしました。。。(汗

私の中では、抵抗/コンデンサー/フィギュアが、完全に同じ扱いのようです

テツさんにとって、フィギュアは真空管アンプの重要機能部品なのです。きっと。。。


( なんじゃそりゃ。。。(^_^; )


12AX7-38シングル真空管アンプ(3)2012/03/22 13:47

引き続き、12AX7(6N2PEV)-38シングル真空管アンプを製作しています。

現在、アンプ外装の組立を行っていますので、その様子を簡単にご紹介致します。


(1)6N2PEV-38シングル真空管アンプに使用するシャーシは、タカチのYMS-200とMB-31です。
6N2PEV-38シングル真空管アンプに使用するシャーシ


(2)ステンレス・シャーシの加工はとても大変です。。。(汗
ステンレス・シャーシの加工はとても大変です。

《重要!》
ステンレス(鉄)シャーシの金属加工はとても危険ですので、初心者の方は絶対にアルミ製シャーシを使用した方がよろしいです。。。(汗



(3)ステンレス・シャーシと外装パーツ類
ステンレス・シャーシと外装パーツ類

出力段38は、UY(5ピン)ソケットです。グリッド・キャップは9mmです。
最近は、ソケットとグリッド(プレート)・キャップが、なにげに高価だったりします。。。。(汗


(4)シャーシに各種パーツを取り付けていきます。
各種パーツの取り付け

MT9ピン下付けのタイト金メッキ・ソケットが手元にあったので、初段ソケットを変更しました。。。


(5)タカチMB-31ケースを流用して、電源トランス・ケースにします。
タカチMB-31ケースを流用した電源トランスケース


(6)電源トランス・ケースは、あらかじめビス止めします。ビス一本だけトランスの真下に位置するので、ザグリ加工して皿ビスによる目隠しボルトにしています。
電源トランス・ケースは、あらかじめビス止めします。


(7)電源トランスのラグ端子はハンダ付けしにくいので、あらかじめ予備配線をしておきます。
電源トランスの予備配線


(8)予備配線した電源トランスを取り付きます。春日の6B型トランスは、端部を折り曲げて斜めに取り付けます。
こうしないとMB-31ケースに入りません。。。(汗
電源トランスを、斜め方向に取り付け

ちなみに、出力トランスをステンレス鉄シャーシ内に設置して電源トランスからの磁束を遮断している上に、電源トランスと出力トランスの距離を離しているので、電源トランスの取り付け方向は、まったく関係ありません。
いちおう、電源トランスの磁束の一番少ない方向を、初段管の位置に向けています。


(9)ボリュームの予備配線をします。
ボリュームの予備配線


(10)予備配線したボリュームを取り付けます。
予備配線したボリュームを取り付け


(11)アクリル・ステージを設置するためのジェラコン・スペーサを取り付けます。
ジェラコン・スペーサを取り付け


(12)アクリル・ステージを取り付けます。
アクリル・ステージの取り付け


(13)組立時のキズ防止のために、養生テープを貼っておきます。
組立時キズ防止に養生テープを貼ります。



以上で、38シングル真空管アンプの外装組立が終了しました。。。(汗

次回は、内部配線のハンダ付けをご紹介する予定です。


(次回につづく)



12AX7-38シングル真空管アンプ(2)2012/03/19 20:44

引き続き、12AX7-38シングル真空管アンプの設計です。

今回は、回路のゲイン配分最大出力を確認します。

これを実施しておかないとNFBを掛けたら出力段バイアスをフルスイングできなくなった!という事が起こりがちです。
私自身、何度も経験しました。。。(汗



さて、初段12AX7(6N2P-EV)の動作条件は、

プレート電圧158V、プレート電流0.6mA、バイアス-1.5V、
負荷抵抗100KΩ、カソード抵抗2.7KΩ、デカップリング抵抗15
KΩ 

でしたので、とりあえず、グラフが読みやすいように、初段を±1Vスイングさせると、基準のバイアス-1.5Vを中心にして87.2KΩロードライン上の、バイアス-0.5Vから-2.5Vまでスイングします。


38用 初段12AX7(6AV6、6N2PEV)ロードライン


その時の、電圧の変化量は、

ゼロバイアス側 → 158V-98V=60
カットオフ側   → 200V-158V=42

特性曲線の右下のバイアスの間隔が詰まっているので、
カットオフ側【42V側】は、どん詰まりになって、
このように歪む訳です。(←二次歪みの発生)

シングル二段増幅は、初段と出力段の位相が逆になるので、このどん詰まりの【42V側】は、出力段のゼロバイアス側をスイングする事になります。(←コレ重要)


出力段のバイアスは、-22Vですので、
22Vを42Vで、割ると、22÷42V=0.524

まあなんと言いますか、アタマの中で仮に、NFBが掛かって初段のゲインが、0.524倍になった。とでも考えて下さい。
初段のゲインは変化しないのですけど、便宜上そう考えて下さい。。。(汗


いっぽう、初段のゼロバイアス側【60V側】は、
60V×0.524=31.4V

となり、

NFBがかかって、初段のゲインが、0.524倍されたと想像すると。。。

出力段のゼロバイアス側は、42V×0.524=22V
出力段のカットオフ側は、  60V×0.524=31.4V

となって、初段をワザと歪ませると、出力段のバイアスを、カットオフ側に-31.4V。
つまり、9.4V分を余計に、オーバー・スイングしてくれる訳です。


38 三結特性図 ロードライン検討


通常の場合ですと、出力段の最大出力は、

262V-115V=147V
147V÷2√2=51.97V
51.97^2÷7000Ω=0.386W
計算上の出力は、0.39W ですけど、

初段を歪ませて、オーパースイングさせると、
カットオフ側のバイアスは22V+31.4V=53.4Vまで振り込むので、
およそバイアスを-53Vまでスイングさせたとすると、

280V-115V=165V
165V÷2√2=58.3V
58.3^2÷7000Ω=0.49W

と、なって、出力段の歪みと出力が改善されて、最大出力は、0.5W となります。

これが、いわゆる
“ シングル二段増幅における二次歪みの打ち消しテクニック ”
です。

打ち消すと言うよりも、遊び電流を活用して設計動作点を超えて、オーバー・スイングさせる(振り込ませる)イメージが近いと思うのですけど。。。


最初に仮定した初段入力電圧の±1Vは、ピーク値ですから、

1Vpeak÷√2=0.71Vrms(実効値)

0.524倍のNFBは、おおよそ-5.6dBですので、

入力0.71Vrms、NFB-5.6dBで、
フルパワー0.5Wというアンプになるでしょうか?



これまでの検討の結果から、回路図を作成しました。


6N2PEV-38シングル回路図


P-G帰還抵抗値は、とりあえずの便宜上で 1MΩ としました。

実際は、カソード帰還との兼ね合いで、NFBが-5.6dBくらいになるようにP-G帰還抵抗値を、カットアンドトライで決定していきます。

あと、出力段38のカソード抵抗値1.3KΩですけど、市販されている3W抵抗には1.3KΩの値があまりないので、1.5KΩ3W抵抗に10KΩを並列接続して、合成抵抗値1.3KΩとしています。



また、初段を6DJ8にした場合の回路図は、こちらです。


6DJ8-38シングル回路図



次回は、実際のアンプ製作工程を、簡単にご紹介する予定です。

(次回につづく)





(おまけ)

ベテランの方ならよく分かっている処なのですが、もともと初段を歪まして、出力段の二次歪みを改善しよう!という手法は、実際はそんなにうまいこと全周波数帯域で相殺できるモノではありません。。。(汗

初段と出力段の位相が逆という仮定なのですけど、現実は段間の時定数回路(カップリング)があるので位相がズレているはずです。
ですから、初段を歪まして出力段の二次歪みを改善しても、実際の実情はNFB(カソード帰還+P-G帰還)によって諸特性が改善されているのだと、私個人は考えてたりします。


あと、最大出力についても、プレート電圧のピークからピークを取った電圧変化量ΔEpで計算する式ですので、実際は真空管がカットオフするまで、(つまり波形がクリップするまで)ダラダラと出力は増え続けます。


とは言っても、初心者の方に細かい話をしても混乱するだけなので、そこら辺のところはあまり突っ込まずに、さらりと流してくださるようお願い申し上げます。。。(大汗


( なんか苦しい説明だな、おい。。。(^_^; )


12AX7-38シングル真空管アンプ(1)2012/03/18 17:10

前回の記事に引き続き、今回は、38シングル真空管アンプを設計していきます。

まず、今回のアンプ製作に使用する電源トランスについて書きます。


89Y/38用 特注小型電源トランス


89Y/38シングルアンプ用に、小型のバンド型トランスを春日無線に特注しました。

0-170-190V 70mA  0-6V 1.2A の小型バンド型トランスです。

私個人的にST-12サイズの真空管は小さくてカワイイので、トランス類も小さくしてシャーシの大きさをミニサイズにした方がカッコイイような気がしたので、わざわざ特注しました。。。(汗

89Yと38では、プレート電圧&ヒーター容量が異なるのですけど共通化して両方に使用出来るようにしました。
ただし、総容量が20VAを超えないように使用します。

89Y/38用電源トランスの仕様

特注トランスの型番は、H24-03111ですけど、単品特注製作ですので製作費は4千円くらいするので、あまりオススメできません。。。(汗

89Y/38のヒーターをシリーズ接続して12.6V点火すれば、春日無線KmB90Fが使用できます。
容量もAC80mA(DC50mA)と大きいですし価格も¥4300と安価ですので、そちらの方がよろしいと思います。

一般的には、89Y/38の出力段のプレート電流を20~22mAくらい流して、KmB90F+出力トランスKA-5730の組み合わせで製作するのが普通かもしれません。。。(汗

ただし、三結で出力を大きく取ろうとするとバイアスが深くなって双三極管で簡単にドライブするという訳にいかなくなってしまいます。
私個人は、出力を落としてバイアスを小さくして入手容易な双三極管ドライブにしたという次第です。
。。(汗



さて、それでは前回の記事と同様に高間欣也氏が手作りアンプの会のサーバーで公開しているところの『 Ep-IpCurveデータ集 』を使用させて頂き、38シングル真空管アンプの設計をしていきたいと思います。

高間さまの『 Ep-IpCurveデータ集 』
http://www.tezukuri-amp.org/bunkakai/sokutei/Ep-IpCurve/Ep-IpCurve.html

38の三結特性図
http://www.tezukuri-amp.org/bunkakai/sokutei/Ep-IpCurve/pdfs/38.pdf

フランクHP 38データシート
http://www.mif.pg.gda.pl/homepages/frank/sheets/021/3/38.pdf


【出力段】の設計

特注した電源トランス 出力電圧190V 許容電流70mA 70mA×0.64=44.8mAですので、
ブリッジ整流の場合の電源トランス許容電流は、約45mAです。

一方、OUT41-357出力トランスの許容電流は、20mAです。

出力トランスの許容電流が20mAですから球のバラツキを考慮して、
回路に流すプレート電流は17mAくらいとしました。


また以前製作した1626アンプの初段6DJ8の動作条件を参照すると、
http://valvolerosso.asablo.jp/blog/2011/10/30/6177752
片側ピークで50Vpeak(100Vp-p)くらいはゲインが取れそうです。

-6dBのNFBを掛けると想定しておくと、-6dBは0.5倍ですので、

50V×0.5= 25V

従って、-6dBのNFBを掛けたとしても、出力段38イアスを-25Vあたりまではスイングできそうだなと予想します。
また、電源トランスの出力電圧が190Vですので、プレート電圧は200Vくらいまでなんとか掛けられそうです。


以上の事から、38三結特性図にプレート電流17mAのラインを引いて、プレート電圧200Vあたりのバイアス線の交点を探してみます。
プレート電圧200Vとプレート電流17mAの交点のポイントは、だいたいバイアス-22Vくらいのようです

38の動作点内部抵抗は4KΩくらいですので、その2倍は8KΩですけど8KΩタップがありませんので、7KΩのロードラインを引いてみます。


38 三結特性図 ロードライン検討


上記のロードラインと、ゼロバイアス線との交点のプレート電流は、およそ30mAくらいなので、その1/2は、15mAですので、どうやら電力効率最大の動作点よりも若干プレート電流が多い動作点のようです。

けど、電源トランスの出力電圧が目一杯ですのでこれ以上プレート電圧は上げられません。電源平滑にチョークを採用すればもう少しだけプレート電圧は上げられますが。。。(汗
けど、できれば簡単にRC平滑にしたいところですし、電力効率最大の動作点よりもプレート電流を多く取ると出力は減りますけど二次歪みは改善されますので、とりあえずこの動作点に決定しました。




従って、動作基準点は、

プレート電圧200V、プレート電流17mA、バイアス-22V、負荷7KΩ、カソード抵抗1.3KΩ

とします。



さて、出力段の動作点が決定したら、後は【B電圧】を求めます。

プレート電圧200Vにバイアス電圧22Vを加えた、
対アース電圧のプレート電圧222Vに、
出力トランス直流抵抗(DCR)電圧降下分を、さらに加えたものが、
【B電圧】です。

春日製OUT41-357の出力トランス一次側/直流抵抗(DCR)は、
330Ωですので、電圧降下は、

(プレート電流)0.017A×(DCR)330Ω = 約5.6V

222V+5.6V= 227.6

これが、いわゆる【B電圧】で、これを求めないと設計できないという、
回路のキモです。


【初段】の設計

 
B電圧が求まりましたので、次は初段の6DJ8の設計です。

とは言っても、前回設計した89Yアンプの初段6DJ8の動作条件を参照して動作点はほぼ一緒です。

B電圧が30Vくらい高いので、ロードライン起点を高圧側に移動できるので、負荷抵抗の値を39KΩと増やして、ゲインを若干アップさせます。

38用 初段6DJ8ロードライン

プレート電圧99V、プレート電流2.5mA、バイアス-3V、
カソード抵抗1.2KΩ、負荷抵抗39KΩデカップリング抵抗12KΩ


入力電圧を、2Vpeak(=1.41Vrms)に想定していますので、かなり強引な設計です。
6DJ8で、なんとかゲインを取ろうという苦労が偲ばれます。。。(汗
まあ、6DJ8でドライブするのですから、このあたりはしょうがないです。


以上の経緯により、6DJ8-38シングル真空管アンプを設計したのですが。。。

ここまで設計して、ハタと気がつきました。。。(汗

B電圧が220Vくらい出ているので、12AX7でもドライブできるかもしれません。

μの大きい球はゲインが取れるイメージがありますけど、内部抵抗の大きな球は200V以上の高電圧を掛けないと、実際はゲインが取れないです。

試しに、12AX7でロードラインを引いてみました。


38用 初段12AX7(6AV6、6N2PEV)ロードライン

12AX7の特性図は6AV6特性図で代用しています。
http://www.mif.pg.gda.pl/homepages/frank/sheets/093/6/6AV6.pdf


実際にロードラインを引いてみると、B電圧220Vくらいですと、まだちょっとキツイようです。

動作点をバイアス-1.5V辺りに設定して±1Vスイングさせると、初段バイアスは、-0.5~2.5Vの間をスイングするので、初速度電流領域にちょろっと引っかかってしまうようです。。。(汗

けど、6DJ8ドライブの場合は、入力電圧を、2Vpeak(=1.41Vrms)に想定していましたけど、12AX7ドライブですと、ラインレベル入力電圧を、1Vpeak(=0.71Vrms)あたりに想定できそうですので感度は良くなりそうです。
携帯プレーヤーを音源(ソース)にする場合は、12AX7ドライブの方が良いかな???と、ちょろっと思いました。

あと、12AX7ドライブにするとかなり歪みが増えるので、机上検討上の二次歪みの打ち消し効果がアップします。

。。。。。

まあ、なんといいますか、正直に告白すると、6DJ8ドライブにすると、以前製作した、NEW6DJ8-1626シングル真空管アンプと、ほとんど同じようなアンプになってしまう(!)ので、製作意欲がちょびっとダウンするという個人的な事情があります。。。(汗

初段の出力インピーダンスは、もちろん6DJ8ドライブの方が圧倒的に低いのですけど、同じだとつまらないので今回は12AX7ドライブで製作しようと考えています。

個人的な事情ですみません。。。(汗

そんな訳で、初段は12AX7相当管にする事にして、動作点は、

プレート電圧158V、プレート電流0.6mA、バイアス-1.5V、
カソード抵抗2.7KΩ、負荷抵抗100KΩデカップリング抵抗15KΩ


と、いうところです。。。(汗

実際に使用する球は、手持ちの関係から、12AX7の6.3V専用球の6N2P-EV-OSを使用します。


【電源平滑部】の設計


まず、電源トランスの出力電圧を予想します。

出力電圧については、書籍『情熱の真空管』 P.111に書いてあります。
今回の回路ですと1.35倍と仮定して、

190V×1.35 = 256.5V


また、これまでの設計から、

出力段 17mA×2 = 34mA
初段 0.6mA×2 = 1.2mA
270KΩのブリーダーとすれば、0.8mA

とすると、回路に流れる総電流は、合計36mAです。


出力電圧256.5Vから、【B電圧】227.6を引いて、
回路の総電流36mAで割れば電源平滑部の抵抗値が求まります。

(256.5V-227.6V)/0.036A = 802.8Ω

802.8Ω÷4 = 200.7Ω
 
よって、電源部の抵抗は、200Ω3W を4個、使用します。


次回は、ゲイン配分の確認と、最大出力の計算をご紹介する予定です。


(次回につづく)