書籍『真空管ギターアンプの工作・原理・設計』を読んで、ステレオアンプを自作する場合のヒント 【NG集】2012/11/12 23:30

前回のブログに引き続き、『真空管ギターアンプの工作・原理・設計』を読んで、ステレオアンプを自作する場合のヒントですけど。。。

完全な製作例というよりも、アンプを製作する場合のヒントというか、手掛かりというか、“叩き台の実験アンプ”みたいな雰囲気の記事なので、いっそのことボツにした回路も公開しようかなと。

モノ作りする場合は、いろいろ候補を出してそれぞれのメリット・デメリットを検討します。

例えば、私自身の場合、これまで80台くらいの真空管アンプを設計して回路図書いて、CADシャーシ加工図を制作していますけど、実際に製作したアンプはその半分以下(!)です。
つまり、日の目を見ないで闇に葬られた(!)真空管アンプが、実は沢山ある訳です。。。(汗


通常、ベストと思われるモノを実際に製作する訳ですけど、今回は、“叩き台の実験アンプ”みたいな雰囲気ですから、ボツにした回路も公開して、それに対してどう思うのかの判断は、このブログをご覧の読者様に委ねようと考えます。。。(汗


最近の真空管アンプ製作の記事は各方面からのツッコミに対処する為に、異様に細部が膨らんで厳密な表現になりがちですけど、詳細に記述すればするほど初心者から離れてしまう(!)という現実があります。
初心者にとっては、むしろ感覚的に書いた方が良いような気がしますので、私のブログはそのように心がけています。


まあ、なんといいますか、感覚的というよりも、まるでリビドー全開みたいで、見崎鳴フィギュアの太モモがっ!?とか、真空管アンプのブログとしてどうなの?と、自分で言うのもナンですけど、ツッコミ所満載のテツさんのブログは、それはそれで問題ありありの気もしますが。。。
まあ、場の雰囲気を和ませるネタ(?)だと、寛大な気持ちで対処してくださると大変有り難いです。。。(大汗


『真空管ギターアンプの工作・原理・設計』の書籍は、音楽ネタのコラムを併記しながら、肩から力を抜いて気楽な感じでアンプ制作ができる様、いろいろ配慮しているようです。

ですから、その本の姿勢(?)のように、肩から力を抜いて気楽な感じで、ボツにした回路集をご参照して頂ければと思います。


。。。。。


さて、前フリ長くなりましたけど、実際の真空管アンプは。。。


まずは、バンテックで取り扱ってる“6BL7GT”と“12V6GT”です。

バンテック ( http://www.soundparts.jp/index.htm )
6BL7GT
http://www.soundparts.jp/electrontubes/powertubes/6BL7GTA/6BL7GTA.html
12V6GT
http://www.soundparts.jp/electrontubes/powertubes/12V6GT/12V6GT.htm


12AX7-6BL7GT Single Ended Amplifier (Tube Headphone Amplifier) testing circuit 回路図
12AX7-6BL7GT Single Ended Amplifier (Tube Headphone Amplifier) testing circuit 回路図

6BL7GT特性図
6BL7GT特性図

6BL7GTデータシート
http://www.mif.pg.gda.pl/homepages/frank/sheets/093/6/6BL7GTA.pdf


一方、バンテックで取り扱ってる12V6GTは、メキシコ製ですけどちゃんとプレート形状が、だ円プレートのようです。

RCAの球は、だ円プレートです。
参考まで、Made in U.S.A.の球の写真を掲載します。
下掲載写真のモノは、バンテックで購入した物ではありません。念のため。

RCA 12V6GT
RCA 12V6GT

RCA 12V6GT は、楕円プレートです。
RCA 12V6GT は、楕円プレートです。


※重要
ちなみに、フェンダー Champ5F1 タイプのギターアンプには、12V6GTは使用できません!
整流管が5Vヒーター規格品ですから、カソードとヒーターが接続しています。
カソードとヒーターが接続していない6.3Vヒーター整流管に変更するか、ダイオード整流にしないと、12Vヒーター電圧が作れません。


12AX7-12V6GT Single Ended Amplifier (Tube Headphone Amplifier) testing circuit 回路図
12AX7-12V6GT Single Ended Amplifier (Tube Headphone Amplifier) testing circuit 回路図

12V6GT特性図
12V6GT特性図

6V6GT/12V6GTデータシート
http://www.mif.pg.gda.pl/homepages/frank/sheets/084/6/6V6GT.pdf


なお、12V6GTのピンアサインは、12A6GT1626と被ります。

12A6GTは、差し替えする事を想定して、カソード抵抗620Ωで検討していますけど、さすがに1626は、バイアス電圧が違いすぎるので、カソード抵抗は、1KΩです。


12V6GTと12A6GT
12V6GTと12A6GT

TUNG-SOL & NATIONAL 12A6GT
TUNG-SOL & NATIONAL 12A6GT

12AX7-12A6GT Single Ended Amplifier (Tube Headphone Amplifier) testing circuit 回路図
12AX7-12A6GT Single Ended Amplifier (Tube Headphone Amplifier) testing circuit 回路図

12A6GT特性図
HYTRON 1626
HYTRON 1626

12AX7-1626 Single Ended Amplifier (Tube Headphone Amplifier) testing circuit 回路図
12AX7-1626 Single Ended Amplifier (Tube Headphone Amplifier) testing circuit 回路図

1626特性図
6BL7GT/12V6GT/12A6GT/1626シングルアンプ共通 12AX7特性図
6BL7GT/12V6GT/12A6GT/1626シングルアンプ共通 12AX7特性図

6AV6 ( 12AX7/6N2P )データシート
http://www.mif.pg.gda.pl/homepages/frank/sheets/093/6/6AV6.pdf



。。。。


以上です。

電源トランスと出力トランスと初段(12AX7)の動作点を共通にしているので、それぞれの球のベストな状態ではありません。

特に、12A6GT1626の動作点は、かなりバイアスが浅いので、実際に製作する場合は個別に動作点を見直した方が良いと思いますが、初心者の方が検討する場合は、あえて電源トランスと出力トランスと初段(12AX7)の動作点を共通にした方が分かり易いかな?と思い、上記のような回路を制作してみました。

ボツにした回路ですので、製作予定はありませんが、真空管アンプを自作する為のお役に立てれば幸いです。(^O^)