6414-PCL86ロードラインの引き方(2)2011/04/10 14:17

先日、PCL86の五極部はEL3みたいな?ことを書きましたけど。。。

長島氏が設計した春日無線の旧PCL86アンプついては、
http://www.e-kasuga.net/amp_pdf1/PCL86-ST.pdf
ラジオ技術誌2003年1月号に掲載されています。

とはいえ、近年に真空管アンプの世界に参入された初心者の方々は、
上記雑誌を閲覧する機会がないと思います。

技術的資料価値(!)があると考えますので、ちょろっと掲載します。
ただし、著作権とかで問題があるかもしれないので、
全4ページのうち、冒頭2ページだけです。。。

今度、春日無線に行って、店長や長島氏にお会いした時に、
全ページ掲載して良いものなのか聞いてみます。すみません。。。(汗

また、下掲載のラ技記事は、予告なく削除する場合があります。
ご了承ください。


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上記ラジオ技術の記事を読むと、長島氏は、
AL4 → EL3 → EL33 →→ EL83 → PCL86(五極部)
と推察しているようです。

前にも書いたとおり、出力段五極部の動作は、EL3三結代表特性の、
プレート電圧250V、プレート電流20mA、バイアス-8.5V、負荷7KΩ、
カソード抵抗425Ω 
を参考にしているので負荷7KΩ、カソード抵抗が430Ωです。



さて、本題の6414-PCL86シングルの話に戻ります。


今回の6414-PCL86シングルの出力段PCL86(T)の動作条件は、
プレート電圧210V、プレート電流17mA、バイアス-7V、
負荷7KΩ、カソード抵抗430Ω 

この動作点は、春日無線の旧PCL86アンプの動作点を参考にしています。というか、ほとんど同じです。。。(汗


ですけど、ロードラインを引く為の思考手順を、ちょっと書いてみます。


真空管アンプの製作費は、トランス類で決まってしまうので、
まず最初に使用するトランスを決めてしまいます。

もし仮に、真空管の動作を先に決めてしまって、
それに合わせてトランス類を選定すると、製作費はどんどん高くなります。

例えば、PCL86の動作をEL3三結代表特性の、
プレート電圧250V、プレート電流20mA、バイアス-8.5V、負荷7KΩ、
カソード抵抗425Ω 

で、製作するという事になれば、それに合わせてトランス類を選定する事になるかと思います。
だぶん、出力トランスは、KA-5730クラスになって、
250V出力の電源トランスは、特注品で単品製作になるかと。。。
アンプ実装規模(シャーシの大きさ)も、一回り大きくなりシャーシ代も高くなるので、たぶん価格差は、一万円以上ではないでしょうか?



今回の、6414-PCL86シングルは、なるべくコストを抑えたいので、
トランスは、KmB90T/F、OUT41-357を使用する!
と決めてしまって、それに合わせてロードラインを検討していきます。

KmB90T/Fトランス 出力電圧195V 許容電流80mA 80mA×0.64=51.2mAですので、
ブリッジ整流の場合の電源トランス許容電流は、約50mAです。
一方、OUT41-357出力トランスの許容電流は、20mAです。

出力トランスの許容電流が20mAですから球のバラツキを考慮すれば、
回路に流すプレート電流は17mAくらいでしょうか?

以上の事から、特性図にプレート電流17mAのラインを引いて、
電源トランスの出力電圧195Vですから、だいたい200V周辺のプレート電圧の交点付近で、ちょうどバイアス線が通る所を探します。

そうすると、
プレート電圧210V、プレート電流17mA、バイアス-7V
あたりが良さそうだという事になります。

PCL86五極部の三結時内部抵抗は3KΩくらいですので、その2倍は6KΩですけど、出力トランス端子に6KΩはないので7KΩのロードラインを引いてみます。

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上記のロードラインと、ゼロバイアス線との交点のプレート電流は、33.5mAくらいなので、その1/2は、16.75mAですので、
どうやら電力効率最大の動作点と、それほど差異はないようです。

以上の思考手順で、動作点は上記のポイントに決定しました。

あと、これはオマケなのですけど、
もっと製作費を安くしたい!という方の為に参考で書きたいと思います。

以前に製作した、6922-5687アンプで使用した
http://valvolerosso.asablo.jp/blog/2011/03/27/5761264
ラジオ少年BT-2V電源トランスは、1700円なので、
これと、OUT41-357Sタイプ出力トランスを組み合わせば、
アンプの規模は、6922-5687アンプと同じになると思うので、
製作費は、球なし価格で一万円くらいのハズです。。。(汗

ちなみに、PCL86のヒーターは、6.3Vシリーズ接続の12.6Vで点火することになりますけど。。。(汗

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トランスは、BT-2V、OUT41-357Sタイプを使用する!
と決めてしまって、それに合わせてロードラインを検討します。

BT-2Vトランス 出力電圧160V 許容電流60mA 60mA×0.64=38.4mAですので、
ブリッジ整流の場合の電源トランス許容電流は、約38mAです。
一方、OUT41-357Sタイプ出力トランスの許容電流は、15mAです。

出力トランスの許容電流が15mAですから球のバラツキを考慮すれば、
回路に流すプレート電流は12.5mAくらいでしょうか?

以上の事から、特性図にプレート電流12.5mAのラインを引いて、
電源トランスの出力電圧160Vですから、だいたい160V周辺のプレート電圧の交点付近で、ちょうどバイアス線が通る所を探します。

そうすると、
プレート電圧155V、プレート電流12.5mA、バイアス-5V
あたりが良さそうだという事になります。


掲載した特性図には、そちらの方の動作点も記載してあるので参考にして下さい。

次回は、6414の初段部分の説明をしたいと思います。

(次回につづく)